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食品の栄養ラベル Nutri-Scoreの使用がヨーロッパで広がる

食品の栄養ラベル Nutri-Score(ニュートリスコア)の研究結果がこのほど発表され、今後、ヨーロッパ諸国での導入が進みそうだ。同スコアは、フランスで2017年に正式に採用された栄養評価で、エネルギー、飽和脂肪、砂糖、ナトリウム、タンパク質、繊維などの含有量に基づいて食品の栄養品質を格付けするシステム。栄養価の高いものから、緑(A)、黄緑(B)、黄色(C)、オレンジ(D)、赤(E)の5段階で表示される。

今回、BMJ(イギリス医師会雑誌)のオンライン(9月16日)で、 栄養品質スコアの低い食品を食べると、心臓、肺、消化器系の疾患による死亡率が高くなるという研究結果が発表された。 英食品基準庁の栄養素プロファイリングシステムの研究チームが、ヨーロッパの癌と栄養に関する調査(EPIC)研究に参加していた欧州10か国の501,594人の成人(平均年齢52歳)の平均17年間のデータを追跡調査した。 絶対的には、10年間で10,000人あたりのすべての原因により死亡した人数は、栄養価が最も低いスコア(赤色)で男性(1,237人)、女性(563人)で、栄養価の最も高いスコア(緑色)で男性(1,008人)、女性(518人)だった。

ニュートリスコアを採用している国は、現在、フランスのほか、ベルギー、スペイン、ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、スイスの計7カ国。食品大手のネスレ、ケロッグ、ペプシコなどは、自主的に選定されたヨーロッパ諸国でラベル表示に乗り出している。

今回の調査で原因を特定することはできず、 他の測定されていない要因(残留交絡)が結果に影響した可能性は排除できないが、シンプルで明確な栄養情報を食品パッケージに付けることは、心臓病、癌、糖尿病など伝染しない疾病予防のために消費者がより健康的な選択を奨励するため役立つと研究グループは支援している。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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