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カネボウの白斑問題で日本皮膚科学会が発症メカニズム解明

カネボウ化粧品の白斑発症問題について研究を行なっている日本皮膚科学会は「美白成分ロドデノールが過剰に生成されると白斑を引き起こす要因になる」との見解を明らかににした。

美白成分「ロドデノール」は、メラニン色素の発生を抑制する効果がある半面、体内の酵素と結びついて別の物質である「ロドデノール代謝物」を生じる。今回、日本皮膚科学会の研究では、この代謝物が過剰に生成されると皮膚細胞を傷つけることが分かった。この結果「代謝物の過剰生成が白斑を引き起こす要因になったと見られる」としている。しかし、発症のメカニズムや美白化粧品を使った人のうち、白斑を発症したのは約2%と発症に個人差があることなどから同学会は、解明に向けて引き続き研究を続ける。

カネボウ化粧品は、白斑問題が起きた昨年7月、総勢40名のプロジェクトチームを立ち上げ原因究明に向けた研究を行なう一方、第3者の立場で日本皮膚科学会に白斑症状発祥のメカニズム解明を依頼した。

日本皮膚科学会では、培養した色素細胞(メラノサイト)を用い、ロドデノールが色素細胞に対してダメージを与えるメカニズムの解明研究を行なった。

色素細胞内でのメラニン合成は、酵素(テロシナ―ゼ)がアミノ酸の一種「チロシン」と結合することにより始まる。ロドデノールは、このチロシンと似た構造を持つため、チロシンの代わりに酵素と結合してメラニン合成を抑制する。

一方、ロドデノールが酵素と結合することで、別の物質「ロドデノール代謝物」が作られることを突き止めた。そこで、メカニズムを解明する目的からロドデノールによる細胞障害が生じるまで実験を行なったところメラニン生成を効果的に抑制できる100倍の高濃度を用いることで、どのような過程を経て細胞障害が生じるか、メカニズムの一端が明らかになった。

今回の研究について日本皮膚科学会は、この代謝物が過剰に生成されると皮膚細胞を傷つけることが判明し「この代謝物が白斑を引き起こす要因になったと見られる」としている。また、カネボウ化粧品は「この成果は、白斑症状の原因究明、治療法確立に向けた第1歩であり、引き続き原因究明に努めて行きたい」としている。

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