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【7】バンダイ、女性が憧がれるキャラクター採用の化粧品提案(下)

レディオスカルLアイライナー(グランドブラック)バンダイが販売する3ブランド、23アイテムの中で最大の売上を記録しているのが「ベルサイユのバラ」(池田理代子プロダクション)13品目の中の「レディオスカルリキッドアイライナー」(写真)。2007年10月に市場投入して以来、2014年3月までの累計販売数が350万本(海外販売含む)に達した。

人気の理由は①肌に優しいローズ水、野バラエキスを配合、②0.1ミリの超極細で描きやすさを実現、③フイルムタイプでパンダ目にならないことやウオーターガードポリマーの働きで汗、水、皮脂に強いことなどが大人の女性層に受けた。

同社の今後の販売強化策は、店舗販売において日販、月販の回転数を上げて収益向上に繋げる。1店舗当たりの回転数を上げるため、店頭での陳列に商品が目立つように配置することで、これまで以上にブランド商品の購買意欲、購入を高めて行く。
海外展開にも乗り出しており、2年前に香港、台湾、シンガポール、韓国に進出しドラッグストア中心に卸販売を展開。また、欧州では、アニメイベントでの物販を主体に注力している。今後、米国や欧州での販売については、着色料、顔料の成分などを統一して販売の効率化をさらに図って行く方針。

同社は、こうした定番品の化粧品販売と合わせて株式会社バンダイネット戦略室が運営するショッピングサイト「プレミアムバンダイ」でキャラクターをモチーフにしたスポット化粧品の予約販売(受注生産)にも乗り出している。今年11月には「ひみつのアッコちゃん」の作品中に登場するアイテムをモチーフにしたコスメなど2商品を投入し、予約販売を始めた。

このような人気が高い漫画やアニメなどのキャラクターが持つ理想イメージを前面に押し出しながら化粧品開発に反映させた独自の知的財産権(IP)活用による化粧品ビジネスの展開は、極めてまれでありそれだけ異彩を放つ。

現在のところアイメイクのコスメ化粧品がビジネスの中心。同社は「今後とも女性が憧れるキャラクターを活用した新しい化粧品を多くの女性に向けて提案して行きたい」としているが果たして基礎化粧品や育毛剤にまで商品アイテムを拡大するか、今後の商品開発が注目される。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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