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【12】特許取得旺盛、容器機構設計・超微粒子顔料分散技術など駆使(中)

三菱鉛筆が開発したアイライナーやネイル、毛染めなどのパテント(特許)取得も旺盛。ほとんどの特許は、塗布具や化粧液として権利化されたものが多い。

アイライナーの特許概要をみると、化粧料を内蔵する軸筒と軸筒先端部に設けられた塗布するための塗布部で構成され、塗布部に軸筒内部の化粧料を供給する構造を成す。また、塗布部および保持部材を覆うために軸筒先端部に着脱自在に構成したキャップを有し、内筒の基部から先端部にかけての内周面を段部の無い状態に形成したことを特徴とする化粧料内蔵型塗布具。

一方、毛染めについても塗布具として特許を取得している。容器本体に塗布液を収容し、容器本体の軸方向先方に塗布体を設け、容器本体内の塗布液を塗布体に供給するポンプ機構を設けた構造を成す。

この塗布具におけるポンプ機構には、先方・後方に移動するピストン部と使用者の操作によって後方に移動させる操作部を設けた点に特徴がある。

これによって塗布液が固まることにより供給口を塞ぐという従来の問題を解消し、櫛と容器が一体となって塗布液を滞りなく櫛部分に供給し地肌に接触しない毛染め具を提供することを可能とした。

こうした特許に裏付けされた技術開発力は、同社の独自技術である容器機構設計技術や超微粒子顔料分散技術、レオロジー技術など同社の先端技術の開発に負うところが大きい。

超微粒子顔料分散技術は、ナノサイズまで微細化した顔料を特殊ポリマーでコーティングすることにより、繊維表面に均一で強固なマイクロコート化を可能とする技術。顔料を超微粒子化し、分散させることによってペンタイプの容器に対応出来る低粘度の化粧液開発が実現できる。

この新規技術によって生まれたインクは、優れた風合いと色落ちしない堅牢性があり、鮮明な色相、色調を提供することが可能。また、インクの粘度特性をコントロールして使用者の使用感を満足させるレオロジー技術によって描き良さ、塗りやすさなどの実現と評価の向上に繋げた。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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