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ハラル認証コスメの開発・販売台頭、イスラム市場取り込む狙い(上)

ハラル認証マークイスラム教の戒律に沿った「ハラル認証」(写真・認証マーク)を取得したコスメ開発・販売の動きが顕著になってきた。16億人の人口を擁するイスラム圏の台頭や経済成長に伴って化粧品の需要拡大が無視できない状況になっている。特に、日本は、2020年の東京オリンピック開催や東南アジアのイスラム市場での化粧品拡大策が史上命題になっており、ハラル認証コスメの開発・販売の動きはさらに加速化するのは必至の情勢。

ハラル認証コスメ販売は、資生堂が2012年にベトナムの工場でハラル認証を取得しマレーシアなどのイスラム圏でスキンケア「ジーエー」販売に乗り出したのが始まり。以降、ロート製薬がインドネシアのイスラム指導者会議(MUI)からハラル認証を取得。リップクリーム「カリサ」をインドネシア現地工場で生産し、2014年9月からバニラの香りをかもし出す4品目のリップクリーム販売を始めている。昨年末までに10万個の出荷を達成した模様。
平均価格は、1本2万ルピア(177円前後)で、現地のハラル化粧品ブランドのリップクリーム1万5,000ルピアと勝負できる価格帯に設定している。
ハラル認証取得を機にマレーシアなどイスラム圏での販売を検討するほか新製品開発で蓄積したハラルの生産管理体制を活かして他のカテゴリーでのハラル認証取得も視野に入れている。

ここへきて中小化粧品各社のハラル認証コスメ開発の動きも見られる。株式会社ナチュレモフィード(東京都大田区)は、群馬県板倉町と千葉県佐倉市の2工場が日本アジアハラ―ル協会からイスラム認証を受けた。
認証は、宗教的な禁止事項だけではなく、原材料、製造工程、製品の品質などを厳密に調査して認証を受けた。また、美容液シャンプー、ソープ、ベビー用シャンプーの3種目がハラル認証を取得(2014年8月)した。

株式会社マーナーコスメチックス(千葉県市原市)は、ハラル認証に向けた自社商品としてシャンプーの開発に入っている。ハラル認証を前提とした商品化は、シャンプーが初めてのこと。昨年から事業活動に入っているイスラム認証コスメのOEM事業拡大に弾みをつけるのが狙い。
同社が現在、開発に取り組んでいるシャンプーは、イスラム法典に準拠して動物やアルコールなどの原料を一切使用しない。年内に商品化を図り市場投入する計画。
同社は、2014年6月に主力工場の岩手県・藤沢工場(写真)で、イスラム法に適合するイスラム認証コスメの製造・供給が可能な工場として認可を受けた。

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