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アメリカ人ですらトランス脂肪酸について混乱している?

アメリカ人の多くはトランス脂肪酸について混乱しているようだー米食品原料会社コーストパッキングカンパニーと大手マーケティングリサーチ会社イプソスが実施した消費者調査から、このような結果を3月21日、発表した。アメリカ人の成人のほぼ三分の二はトランス脂肪酸についての理解が不足しているらしい。

アメリカ人の成人1000人(18歳以上)を対象に2016年の2月下旬、食生活調査の一環としてトランス脂肪酸の認識度を調査した。加工食品の製造工程で添加される人工のトランス脂肪酸と動物性食品に自然に含まれるトランス脂肪酸の違いについて質問した。この結果、36%は全てのトランス脂肪酸は健康に悪いと思っていると回答、28%は食品中のトランス脂肪酸への身体への影響について知らないと回答した。一方、“人工トランス脂肪酸は健康に悪く、自然に含まれるトランス脂肪酸は有害ではない”と正確に認識している人は24%にとどまった。

人工トランス脂肪は、心臓病発症のリスク増加への関与が認められているため、全米科学アカデミーの機関である医学研究所(IOM)はトランス脂肪酸の摂取をできるだけ低下させるよう推奨してきた。これに伴い、米国食品医薬品局(FDA)は昨年6月、2018年までに段階的に加工食品から人工のトランス脂肪酸の使用を禁止すると決定した。しかし、動物由来の食品( 卵、乳製品、牛肉など)に自然に含まれる脂肪酸は安全であると考えられているため、 FDAは使用を禁止していない。

今回の調査結果をみてみると、アメリカ人の間で使用禁止の対象となるトランス脂肪酸の認知度が低いことから、食品会社は有効なトランス脂肪酸に関して正確な知識を広めていきたいとしている。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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