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MIT科学者、代替スキンになり得るポリマー新材料開発

米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、一時的に皮膚を伸ばしたり、しわを滑らかにするのに使用できる新しい素材を開発したと、5月9日、同大学のオンラインサイトで発表した。新素材はシリコーン系ポリマーで構成され、皮膚に薄く塗布するだけで健康で若々しい皮膚の弾力性を与え、水溶性を高める効果があるらしい。

MIT化学工学・学部准教授の Daniel Anderson氏とバイオベンチャーのLiving Proof社、Olivo Labs社の研究チームが共同で開発したこの素材についての論文は、オンライン版 Nature Materials(5月9日付)に掲載された。

Screen Shot 2016-05-14 at 13.27.21新素材は、2種類のマテリアルを組み合わせて成立する。最初にクリーム状のポリシロキサン成分を肌に薄く塗る。その上に白金触媒を塗るとXPL(cross-linking layer)と呼ばれる架橋性高分子層に変化して皮膚の上でほぼ見えなくなる。

研究グループは、ヒトでの安全性と有効性をテストした。加齢などにより目の下に形成される“目袋”に適用すると、皮膚を強化し突起をなくす効果が約24時間持続した。保湿効果についてのテストでは、新素材を塗布した皮膚は、市販されているハイエンドの保湿クリームを塗った皮膚よりも、水分の損失がはるかに少なかったという。“皮膚の代替”として美容医療への応用や皮膚疾患への治療が期待される。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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