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角層中のタンパク質「HSP27」とかゆみに相関関係?

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は、世界に先駆けて独自開発した老化リスクの測定技術「角層バイオマーカー」を活用し、乾燥によるかゆみ症状を測定することを目的として、東京女子医科大学 川島眞教授、新宿ヒロクリニック 木村育子医師と共同研究を進めてきた。その結果、新たに角層中のタンパク質(Heat Shock Protein 27「HSP27」)が、かゆみの指標になる可能性について見出したことを発表した。

ファンケルかゆみ指標同社独自の角層バイオマーカーとは、テープによって採取した皮膚の角層中にあるタンパク質を解析し、皮膚の老化リスクを測定する技術。

皮膚のバリア機能を測定するタンパク質「ガレクチン7」や、抗酸化力を持つタンパク質「DJ-1」など、これまでに7種類のタンパク質を用いて、一人ひとり異なる皮膚の特長を解析するシステムに応用してきた。

乾燥による肌荒れの自覚がある健康な40歳以上の女性が、「グルコシルセラミド・植物性乳酸菌・N-アセチルグルコサミン」配合サプリメントを、8週間摂取した結果、医師の観察により皮膚の乾燥症状の改善効果が認められた。

また医師観察評価と、皮膚の水分蒸散量に関与するガレクチン7量にも相関が認められ、内服による乾燥の改善効果を、角層バイオマーカーで評価できる可能性が認められた。

さらに、かゆみを自己申告で評価するNRS法とHSP27を比較して解析した結果、かゆみを感じるほど、HSP27量が増加するという相関結果が得られた。

また、試験食品の摂取によりかゆみが改善した群と、変化しなかった群に分けて、HSP27量を比較したところ、かゆみ改善群では、かゆみに変化がなかった群に対して、試験開始後8週間で角層中HSP量が有意に減少した。

以上の結果により、皮膚のかゆみ症状を判定する方法として、医師による皮膚所見や、自己申告によるNRS法などの従来法に加え、角層バイオマーカーがかゆみの測定方法になることが分かった。

特に客観的な評価が難しいかゆみについて、HSP27を指標として用いることが有用であると考えられる。

同社では角層バイオマーカーが、より客観的な肌の評価方法のひとつとして医療現場でも応用できるよう、今後もエビデンスを取得し、研究開発を進める。

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