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子供の日焼けが免疫疾患の原因に

シミやしわなどの光老化や皮膚がんなどの健康被害が懸念される日焼けが、若年性皮膚筋炎の原因ともなることが、米国リウマチ学会の公式雑誌「Arthritis & Rheumatism(関節炎とリウマチ)」の7月2日オンライン号に掲載された。

掲載論文は若年性多発性筋炎と若年性皮膚筋炎の患者298人を対象に、紫外線(UVR)曝露量を調査したもので、紫外線曝露量が多いほど疾患の有病率が多いことが示された。

若年性皮膚筋炎は、免疫の異常な反応が原因で、感染していないのに体の中で炎症が起こってしまうという自己免疫疾患のひとつ。筋肉と皮膚にある細い血管内で炎症がおこるために、筋肉の委縮や硬直、筋肉痛、皮膚湿疹などが発生する。16歳以下での発症を特に「若年性」と呼び、大人になってからの発症より予後の経過は良好とされているが、呼吸器や心臓などの合併症を生じた場合、まれに死にいたる可能性があるという。

日本は世界で最も皮膚がんの少ない国で、最も多いオーストラリアやニュージーランドと比べて100分の1と言われる。これは、肌の色が黒い方が紫外線に対して抵抗力があるためとされている。若年性皮膚筋炎は発症率が10万人に1人というまれな病気ではあるが、発症に関しては地理的なものや人種による影響、また遺伝的な要素も見られず、日本での患者数が欧米に比べて少ないということはないようだ。一生のうちに浴びる紫外線の多くは子供のころのものと言われている。子供のうちから紫外線を浴びすぎないよう、帽子や日焼け止めなどによる紫外線防御を心掛けることが大切となる。

一方、紫外線は皮膚の上でビタミンDを合成する。ビタミンDが不足すると骨や筋肉が弱くなることが知られており、ビタミンD不足の妊婦から生まれた子供は将来の骨量が少なくなることも報告されている。特に母乳栄養の乳児、アレルギーなどで食事制限のある幼児では骨の成長に必要なビタミンDが不足しがちなため注意が必要となる。骨粗鬆症の心配がある中高年女性では、約半数がビタミンD不足という調査結果が出ている。日焼けしない程度(両手の甲の面積で15分の日光曝露)、または日陰で30分くらいを過ごすという程度の「日光浴」が推奨されている。

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