油分・水分を自在に混ぜる新乳化技術「コアコロナ乳化」を開発

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2017.10.26

編集部

株式会社資生堂(東京都中央区)はこのほど、乳化で一般的に用いられている界面活性剤を使うことなく、さまざまな種類の油と水を自由な配合比率で自在に混ぜることができる全く新しい乳化技術「コアコロナ乳化」を開発した。同技術は2018年2月に発売予定のアネッサ製品の一部に応用される。

両立が困難だった「みずみずしい塗り心地でありながら水に強いサンスクリーン」や「劇的にうるおうのにべたつかない保湿クリーム」など、画期的な化粧品のレシピを生みだす可能性を持つ新たな乳化技術となりうるとしている。

同技術は、第68回コロイドおよび界面化学討論会(9月7日開催)、および第56回日本油化学会年会(9月11日開催)にて発表され、杉山研究員が「日本油化学会関東支部 若手研究者奨励賞」を受賞した。

ポリマー微粒子である「コアコロナ粒子」は、従来の界面活性剤や無機微粒子を用いる乳化法の限界を克服する新たな乳化剤で、油になじみやすい骨格(コア)部分と水になじみやすい周辺(コロナ)部分をあわせ持つ。

これは従来の界面活性剤に比べ100倍以上となる直径をもつ粒子状の物質。「コアコロナ粒子」は、さまざまな種類の油と水を自由な配合比率で自在に乳化することができ、従来の界面活性剤をはるかに超える高い乳化性能を持っている。

さらに、「コアコロナ粒子」はピッカリングエマルジョンで用いる無機微粒子に比べ柔らかい素材でできており、また圧倒的な低濃度で油と水の乳化が可能であるため、べたつきや粉っぽさの少ない、心地よい使用感触を実現することができる。

参考リンク
株式会社資生堂

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