【連載】大手化粧品会社の研究㉞クオレの会社研究 ~木下製薬が研究開発・製造を担当、美白外用剤で特許取得~(下)

2018.07.6

特集

編集部

クレオの研究開発・製造を担当しているのがグループ企業の木下製薬株式会社(岡山県岡山市)だ。同社は、1992年6月にイクソラファブリカとして設立。1998年10月に木下製薬に社名変更した。現在、岡山、玉野、姫路に3工場を持ち、高機能化化粧品、医薬部外品の研究開発、OEM生産等を担当している。
3工場は、原料受け入れから商品完成までのすべての工程で、GMP(化粧品の製造および品質管理に関する業界自主基準)に従い、徹底した生産管理・品質管理を実施。品質保証の国際規格「ISO9001」を認証取得している。
中でも岡山工場では、ヒートポンプシステム+プラズマクラスターイオン装置を使ったシステムを導入しているのが目立つ。
岡山工場でプラズマクラスターイオン(PCI)装置を設置し,揮発性シリコンなどの化粧品原料への影響,気温や湿度のような環境への影響,浮遊菌,落下菌対策に対する効果を検証し,その効果が化粧品の製造工程の中で有効であるという結果が得られたことにより、本格的に導入した。

同社は、研究開発面でも大きな成果を出している。女性特有の悩み(シミ・シワ・白髪)に注力しメラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ美白成分、ビタミンCとアルニカエキスの相乗効果を独自に発見し、2015年8月に「美白用皮膚外用剤及びその製造法」で特許を取得した。
特許の詳細は、紫外線等の外的刺激で生じる炎症や皮膚メラニンの生成、沈着を抑制し紅斑、皮膚黒化、シミ,ソバカス等を防止することができる。
美白用の皮膚外用剤とその製造方法に関する特許技術を用いて「アキシ=AXI ホワイトニングTSシリーズ」などの美白化粧品開発につなげた。
同TS(トリプルサポートの意味)シリーズは、新規複合成分「TSコントロールl」が角層・表皮・メラノサイトというメラニン生成抑制に関わりの深い3つのケアを集中的かつ同時に行い、メラニンの生成を抑えて肌の状態を正常に整える。
新成分の「TSコントロールl」は、ビタミンC誘導体(AA-2G)を主成分に、植物由来の原料アルニカエキスやトラネキサム酸などを厳選配合した複合美肌成分。肌全体に透明感を与えながら、ふっくらとしたハリ感を呼び起こす。引き続き、皮膚科学に基づいた研究開発に力を入れて取り組む。

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