【連載】大手化粧品会社の研究(56)ファンケルの会社研究 ~第2中計推進、7つのチャレンジ設定、アテニ、ボウシャに力~(中)

2018.10.31

特集

編集部

ファンケルは、2019年3月期を初年度に2021年3月期までの3ヵ年中期経営計画に取り組んでいる。
3ヵ年中期計画は、第1期中期経営計画(2016年3月期から2018年3月期)が持続的な成長基盤を確立したと判断。引き続き、成長軌道を維持することで、収益力を向上させるとともに、海外事業を基盤固めの時期と位置づけて強化を図ることにした。

第2期中期経営計画を達成するために7つのチャレンジを掲げ、全従業員が一丸となって取り組む。
7つのチャレンジは、メイン事業として
①研究・製造から販売まで一貫した独自価値のある製品づくりに挑戦
②顧客育成と製品育成を両立させた販売チャネルへの進化
③新しい手法にも挑戦し続け、広告PR効果を最大化する。

成長事業として海外事業の本格的成長やベンチャー精神と正義感に基づく新しい事業へ挑戦していく。
経営基盤を強化するため、成長と収益性向上のための先行投資及び多様な人材の活躍推進並びに企業の価値向上と正直品質に磨きをかける。
事業戦略については、ファンケル化粧品が行っている化粧品事業について革新性や独自性のある製品を発売し、幅広い顧客に「最愛」のMYブランドとして利用いただけるよう取り組む。

ブランド戦略については、新たなターゲット層の開拓を目的としてターゲット別にブランド体系を構築し、多角化を図る。
「ファンケルプレステージ」については、ファンケル無添加化粧品におけるプレミアムブランドと位置付け、パーソナルで高付加価値な製品を展開する。また「ザファンケル」については、ファンケル無添加化粧品のコアブランドとして「濃縮×無添加」をコンセプトに、直販チャネルを中心に独自性ある製品を継続的に展開する。さらに「ネオファンケル」については、ファンケル無添加化粧品をより手軽に利用してもらうため、発酵×無添加をコンセプトに卸販売を中心に展開する。

製品戦略については、主力カテゴリーとしてファンケルブランドの核となる基礎スキンケアに徹底的にこだわるとともに「マイルドクレンジングオイル」を中心に洗顔系カテゴリーの強化を図る。また、60代以上のマチュア世代向けの「ビューティブーケ」に加え、2018年4月に上市したアラサー世代向け新ブランド「アンドミライ」や2020年3月期に販売予定の「アラフォー世代向け新ブランド」を発売するなどして新規顧客お客様層を開拓する。さらに、メイクやヘアケア、パーソナルコスメである「スキンソリューション」の製品育成を強化する。

海外戦略については、アジア市場に進出している中国や香港、台湾、シンガポールに加え、その他のアジア地域3~4カ国に順次、進出する。また、アメリカでファンケルブランドの拡大に再チャレンジする計画。
同社は、今後3年間の化粧品の年平均成長率についてファンケル化粧品+4%、アテニア+11%、ボウシャ+14%に設定、アテニア、ボウシャの成長に力を入れる。

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