【連載】大手化粧品会社の研究(68)韓国・LG系列、銀座ステファニー等の会社研究 ~韓国LGが銀座ステファニー、エバーライフ、R&Y、エイボンを相次いで買収~(上)
2019.01.7
編集部
韓国・LG生活健康の日本国内での企業買収による業績向上が注目される。韓国・LG生活健康は、銀座ステファニー化粧品株式会社(東京都港区)をはじめ株式会社エバーライフ(福岡県福岡市)、R&Y株式会社(東京都港区)、エイボン・プロダクツ株式会社(東京都新宿区)を相次いで買収、日本市場での基盤強化を図った。
韓国・LG生活健康の日本での企業買収は、化粧品、健康食品等の製造・販売を行う銀座ステファニー化粧品の買収を契機に活発化した。
韓国・LG生活健康は、日本企業買収の第一弾として2012年 12月に銀座ステファニー化粧品の株式70%を91億円で取得し、子会社化(残り30%は、2015年に買却)した。銀座ステファニー化粧品の業績は、買収前の2011年9月期で売上高が通信販売中心に約65億円に上る。
銀座ステファニー化粧品の買収を契機として韓国・LG生活健康は、2012年12月に機能性食品通販会社「エバーライフ」の全株式を取得して子会社化した。取得総額は、3300億ウォン(約258億円)に上る。
2014年2月には、デンマーク産のブタ由来プラセンタエキスを配合した健康食品「プラセンタ100」で業績(2013年6月期 売上高52億円)を伸ばしていた通販会社の「R&Y」を買収し、2014年7月に銀座ステファニーが吸収合併した。買収額は、非公表。
さらに、2018年4月には、LG生活健康が銀座ステファニー化粧品を株主としてエイボン・プロダクツ(米エイボンの日本支社、1968年設立)を約105億円で買収し、全額出資子会社(LG生活健康社の孫会社)とした。エイボン・プロダクツの2017年売上高は、約100億円程度にのぼる見込み。
こうした韓国・LG生活健康による一連の日本企業の買収は、日本市場での対日戦略に基づく化粧品・健康食品等の市場シェアを高め、業績を伸長するのが狙い。
韓国・LG生活健康の化粧品、健康食品、生活用品を機軸とした世界戦略を考えれば、日本を含むM&Aによる企業買収は、引き続き活発化する見通し。表に韓国・LG生活健康の日本企業買収と銀座ステファニー会社概要を示す。