【連載】大手化粧品会社の研究(68)韓国LG系列、銀座ステファニー等の会社研究 ~買収後もブランド継承、卸販売とインバウンド強化~(下)

2019.01.8

特集

編集部

韓国・LG生活健康社は、子会社化した銀座ステファニー化粧品を日本市場の要諦と位置付けて従来通りのブランドで化粧品通販、銀座ショップ等での販売及び韓国と日本で化粧品をクロス販売するなどの戦略に打って出ている。

韓国・LG生活健康社は、銀座ステファニー等買収後、韓国市場で販売している「スム」「オフィ」「フー」などの化粧品ブランドについて銀座ステファニーを介して日本国内の通販市場に投入するとともに、洗剤などのトイレタリー商材についても日本に輸出・販売している。
また、2012年11月にオープンした銀座ステファニーの銀座ショップ(写真=地上3階、地下1階、エステサロン併設)では、韓国のスキンケアブランド「スム」や「ビリーフ」などを取り扱っている。最近では、韓国LG生活健康が日本市場向けに開発した植物の自然発酵成分配合のエイジングケア化粧品「ステファニーコウ」シリーズなどの販売にも乗り出している。

ここへきて銀座ステファニー化粧品は、化粧品やサプリメント等の卸販売にも力を入れている。
国内のドラッグストア、ショッピングモール、免税店などに化粧品とサプリメントを顧客層に合わせて販売。特に、中国人などが多く来店する店舗に中国語のポップを付けるなどして販促している。
インバウンド需要の取り込みにも力をいれている。銀座ショップでは、外国人観光客に商品を免税販売している。ここへきて店舗への呼び込みと店舗運営の手法確立に懸命。特に、外国人観光客は、来日する前に買う物を決めているため、中国など現地で広告展開をはじめるとともに、銀座ステファニー化粧品が日本で人気の化粧品ブランドであることをアピールしている。さらに、観光ルートの中に銀座ショップを組み込んで店舗への誘導も図っている。

課題は、買収した銀座ステファニーの組織、人事、販売など経営資源をどのように充実し国内での司令塔役割を果たしていくか。また、エイボン・プロダクツやR&Yのブランドを継承しながら企業、商品の浸透をいかに図りながら業績に繋げていくのか、具体的な戦略構図をより鮮明にすることが情報公開の観点から望まれる。

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