【連載】大手化粧品会社の研究(80)スターモアの会社研究 ~美容サロンの新規開業を支援~(下)
2019.03.8
編集部
スターモアの事業特性として、美容サロンの独立開業を目指す女性起業家等に対して「サロンの開業から運営まで」を一貫して指導・助言する「エステサロン販売店オーナー支援サービス」に乗り出している。
同サービスの内容や特徴は、設備6万円(仕入れ50%オフ)と商材20万円で自宅の1室で開業できることが触れ込み。また、フライチャンズで導入している加盟料や保証金、ロイヤリティなどは 一切なし。ロイヤリティがないため、エステ施術の売り上げは、すべてサロンの売り上げになる。
エステ施術(エステ施術技術はOJT教育により習得)は、オールハンドのため、エステ機器の販売・斡旋は一切していない。 シンプルで基本的な機器(スチーマーなど)とミニマムなサロン用備品 (施術用ベッドやタオルウォーマーなど)を揃えるだけで済む。さらに、スターモアのエステ用化粧品が、卸値特別価格で仕入れできるほか、商品の売り上げによる差益もサロンの収益になる。商品仕入れ金額に応じたキャッシュバックシステムもある。
同社の独立開業支援プロセスは、登録を申し込んだ女性起業家等に対して当初、面談を行い開業するにあたって立地条件や費用などについて聞き取りする。
面談は、スターモア・地区本部のエステティックサロン販売店又は本社特別認定のエステティックサロン販売店が担当する。
エステ店のオープン後は、施術のための素材(マッサージオイル&化粧品類)や商品(化粧品等)を導入しながら顧客満足度を高める。また、開業後も現役サロンオーナーがフォローを担当する。
同社がエステサロン販売店オーナー支援サービス事業を始めた理由は、域密着型のご近所サロンを全国に展開する狙いによる。
高級感はあるものの敷居が高くて入りにくいブランドサロンに比べて「地域密着型のご近所サロンで気軽にエステを受けてみたいという潜在的ニーズが多い」との考えから地域サロンの開設に力を入れることにした。また、同社にとってエステサロンを全国に設立することで、自社開発の化粧品をエステサロンに卸販売でき販売増加による収益の向上につながるメリットがあると判断したことによる。