【連載】大手化粧品会社の研究(89)コスメフリークの会社研究 ~ミャンマーでかかと角質ケアを販売~(下)

2019.04.16

特集

編集部

コスメフリークは、会社設立して2年半後の2016年6月にミャンマーに進出し「かかと角質ケア」の販売攻勢に打って出ている。
同社は、ミャンマー進出にあたって当初、どこで販売するか、の調査から始めた。調査した国は温暖地域で、美容商品に対する貿易額が高いシンガポール、タイ、ミャンマーなどの地域を調査した。しかし、これらの国・地域は、ショッピングモールやチェーン店など近代的店舗が増えると広告予算が一気に高くなるなどのデメリットがあることが判明するなど、サプライヤー企業の事業計画を作る上で大きな課題になった。ただ、その中で、ミャンマーは、広告に対する予算も他国と比較して低く長期的なビジネスが展開しやすい事。また、現地のバイヤーが思った以上に「かかと角質ケア」の商品を評価したことがミャンマー進出を決定づけた。

「もともとミャンマーのイメージは、仏教の国というイメージしかなかった。調査をした結果、非常に経済が伸びている事も理解出来たし、そこに販売機会がある事を実感できた」という。
ミャンマーは、フェイスブックが市民に浸透しているため「かかと角質ケア」を購入している現地の店舗紹介やイベントの案内などを発信。また、ミャンマーの消費者向けに商品のPRや使い方などの資料を作成して販売機会の効率化につなげた。
こうした販促が奏功して現在では、口コミで商品を購入するケースが増え、ミヤンマーの美容スパ、ビューティーサロン約15店舗と取引するまでになった。

同社は、今後の海外展開について成長する中国、アジア市場などに力を入れて取り組む方針で海外展開に一段と拍車をかける構え。同社の2018年2月期の総売上高は、約23億円、社員数約140名に上る。このうち、海外での売り上げは、未公開。
ともあれ、法人設立5年の新興企業が海外で売り上げを実現している動きは、きわめてまれなケース。
しかし、自社ブランドの美容グッヅが少ない。国内・輸出向けを含めて自社ブランド美容品のアイテム数が極端に少ないことが課題点だ。その意味で、販売が一巡して次につなげる商品を早急に開発することが求められる。

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