【連載】この中小化粧品会社に注目⑧愛しとーと(上)~女性社員の働きやすい職場環境を実現~ 

2020.08.31

特集

編集部

自社開発の化粧品や健康食品等をネット通販主体に事業展開する株式会社愛しと―と(福岡県那珂川市)は、社員の仕事と生活の調和を図った「ワーク・ライフ・バランス」を実現した中小企業として注目される。

同社は、1998年に設立した「エイチ・アール・ケイ・ハルカ」と2001年に設立した「エイチ・アール・ケイ・エフィス」の2社を2003年に合併して「HRK」とした。さらに2014年10月にHRKを現在の社名に改名するなど今年で創業22年になる。
現在、自社ブランドの基礎化粧品や健康食品の「コラーゲンゼリー」を商品化し、現在300万人の会員を擁する通信販売主体に全国展開している。
海外事業も展開している。この2~3年にも米国、欧州にも現地法人を設立する方向で検討しており、海外事業をさらに強化する構え。

こうした事業展開する中、同社は、創業当初から社員の子育てに力を入れ、キッズルームを社内につくり、子どもと一緒に出勤できるようにするなど社内で子育てをしながら働ける場所をつくった。現在では、仕事復帰の際、託児所・保育園が決まるまで、会社内にあるキッズルームに預けることができる。また、保育士配置のキッズルームに加えて親子で食べられる健康食を無料の社員食堂で提供している。
従業員が結婚・出産を経ても働き続ける事ができる職場環境づくりの向上にも取り組んでいる。

全従業員対象の産前・産後の休業制度や育児休業、勤務時間の変更、さらに、託児所や保育園に合わせて勤務開始時間・終了時間の変更、子供の看病のための休暇、子供の看病のための休暇取得を整備するなど働きやすい職場環境を実現している。

同社は、こうした地域経済の活性化や国際競争力の向上が評価されて中小企業庁のモデル事業「はばたく中小企業・小規模事業者300社」(2017年3月)に選ばれ表彰された。
また、従業員への検診・保健指導等の着実な実施と共に、健康宣言を通じた職場における健康づくりの取り組みが優良として全国健康保険協会福岡支部から「健康づくり優良事業所・ゴールド認定、2018、2019」を受けている。
さらに、財務状況の各付け評価会社「スタンダード&プアーズ」から財務状況が優良である「aa」 の評価を受けるなど、財務基盤の強化に取り組んでいる。国内外で財務体質が健全であることを実証することで企業の信頼性を高める狙い。中小企業が財務状況を各付け機関から評価されるのは極めて珍しいケース。
こうした同社の成長の軌跡は、創業者で現会長の岩本初恵氏の経営手腕と牽引力に負うところが大きい。

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