【連載】この中小化粧品会社に注目㊻ビューティーエクスペリエンス(上)~サロンと共同開発するSIMプロジェクト推進~
2021.03.22
編集部
株式会社ビューティーエクスペリエンス(東京都世田谷区)は、1975年に株式会社モルトベーネとして創業。2015年に現社名に変更した。
現在、ヘアサロン向け専売品(写真=ヘアケア、スタイリング剤、カラーリング剤、パーマ剤)の製造・販売を目的としたプロフェッショナル事業と一般市場向け製品の製造・販売(卸売り)を目的としたプレミアムリテール事業、アジアを中心に海外向け製品の販売を目的とした海外事業を主体に事業展開している。
こうした事業展開の中で同社の基幹事業として国内外のサロン向けの業務製品の企画・販売を行うのが、プロフェッショナル事業の役割。
同事業の製品開発の軸となる手法がサロンと製品を共同開発する「SIM=SARON Interactive Marketing」と名付けた開発プロジェクト。現在、約80のディーラーを通し、全国各地の美容室へ商品を卸しているが、この中でトップサロンとプロジェクトチームを組みエッジの効いたコンセプトやターゲットの明確な製品を企画段階から一緒に作り上げている。チームを組んで行うことで、サロンの顧客の声をより忠実に製品化できるようになった。
SIMブランドの製品は、全国のサロンで多くの顧客の支持を得ている。
サロンの成功をサポートするために同社では、製品の開発だけでなく、サロンの経営をサポートすることにも力を入れている。
営業担当者であるフィールドマーケターは、代理店と協業し、サロンの要望や悩みを直接、伺うことにしている。代理店、サロン、同社が三位一体となってサロンの成功を共創できるような課題解決型の営業スタイル「SIP=Success Interactive Promotion」が奏功している。
こうした中、同社は2021年1月、オーガニックスキンケア・ボディケアを展開するイスラエルの「ラヴィド社」と国内における独占販売契約を締結した。
同社は、2021~2023年の3ヵ年中期経営計画において「業界の常識にとらわれず、常に挑戦し続け、世界へカワイイの革新を巻き起こす」を経営コンセプトに掲げ推進している。
同社がラヴィド社を提携の相手と選定したのは、パーマで傷んだ女性の髪を美しく健康にしたいと、サロン向け製品を開発したことが創業の契機となっていることや顧客を最優先に考えたモノづくりへの共感、さらに、厳選された植物由来成分や植物化学に基づいた処方開発プロセスなど植物への情熱や環境に配慮した「サステナブル」(持続可能)な共通の取り組みが合致したことから提携に踏み切った。同契約に基づき2021年夏にも国内販売を始める方針。