【連載】この中小化粧品会社に注目(51)桜サイエンスビューティー(下)~アロマを放出する芳香器、クラウドファンディングで販売~

2021.04.13

特集

編集部

桜サイエンスビューティーが開発した商品の中で実販売に売って出たのが「比叡山黒文字水と専用の携帯アロマディフューザー」である。
比叡山から比良山系の修験道に自生する黒文字から抽出した香りを芳香器に詰めて放出するもの。この芳香器は、電極が内蔵されており、電気分解により水から水素を発生させることで、香リの質を高めた。
黒文字は、高級和菓子の爪楊枝にも使われてきたクスノキ科の落葉低木。現在、黒文字から抽出したエキスは、和製ハーブとしてのど飴に配合。また、香りの成分から抽出したエッセンシャルオイルは、アロマセラピー用として使われている。

同社は、黒文字水の成分分析を養命酒製造に依頼しておこなった。養命酒製造株式会社(東京都渋谷区)は、「クロモジ研究会」を開催・運営しており同社も会員となっている。
クロモジの成分分析として鎮静効果や抗不安効果、抗菌効果がある「リナロール」が主成分であることが判明。リナロールは、フレッシュな香りから化粧品や香水など様々な用途に使われていることで知られている。また、青葉アルコールとも呼ばれ、緑茶の香り成分としても知られる「cis-3-ヘキセン-1-オール」などの成分が含まれていることが分かった。

同社は「比叡山黒文字水と専用の携帯アロマディフューザー」の拡販を図るため、同商品をリターン(購入)商品とするクラウドファンディングでの販売(2021年2月)を始めている。
最近、同社は、サクラやユズ等の和製植物素材から抽出された天然芳香物質の臨床データ集積、国内外の市場調査、商品開発、試販、ネットワーク作りに取り組んでいる。また、大学で研究されているナノカーボン素材に機能性香料を配合したより機能性の高い素材の開発や新型コロナ感染症対策として植物から抽出した芳香成分の商品開発等に取り組んでいる。

当面、代表者が大病から立ち治り、事業をさらに軌道に乗せることが急務であり課題でもある。
芳香抽出、除法等に関わる高度技術を化粧品、ヘルスケア等の商品に応用開発して市場に投入し、拡販することに多くのステ―クホルダーからの期待が高い。

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