中小企業が取り組む化粧品の新規事業【5】唐津コスメバレーのブルーム、東南ア輸出業務を開始、上場視野も

2015.02.26

特集

編集部

ブルーム社長山崎信二氏仏のコスメ業界と提携して佐賀県唐津市を国内の一大コスメ集積地とする「唐津コスメティックバレー」が動き出す中で、地元中小企業の株式会社ブルーム(佐賀県唐津市、社長山崎信二氏=写真)は、新たに東南アジア市場への化粧品輸出業務に乗り出した。また、九州IPO挑戦隊の支援を受けて上場の準備が完了、時期を見て株式公開に踏み切る方針。

同社は現在、化粧品に特化した国の登録検査指定機関の資格を持ち欧米やアジアなど200ブランドにのぼる化粧品の検査・分析(写真下)と輸入代行業務を行っている。

同社の化粧品に関わる検査・分析、輸入業務の特徴は、約1万平方メートルの保税蔵置場で輸入から成分表示のシールの張り付けや包装、顧客の指定先に出荷するまでの通関業務を一貫体勢で行っている。シールの張り付けや物流については、地元の運送会社と提携し即応体制を実現。
こうした中、唐津コスメティックバレーに進出し合わせて東南アジアに進出する計画を持つ国内化粧品・素材メーカーや仏の企業を対象に海外での製造販売、輸出品の品質評価・分析、通関業務など新たな唐津コスメティックバレーからの輸出業務に力を入れ、収益の向上を図ることにした。

すでに、同社は、国内のOEMメーカーと連携して東南アジア市場での事業化可能性調査を実施。「事業としての可能性が大きい」として調査結果を踏まえてこのほど国内化粧品メーカーなどから受託した東南アジア市場への輸出業務を始めた。今後、仏の企業などからも輸出業務の受託に期待する。

同社では「仏の企業が東南アジアへ化粧品を輸出する場合、現在では40日間程度かかる状態。唐津から輸出した場合、わずか4日で済む」と地の利、通関業務の優位性を説きながら新たな輸出事業に賭ける期待をのぞかせる。

一方、同社は「地元唐津の企業として最初に株式公開を実現したい」と意欲に燃えている。福岡証券取引所や中小機構九州本部などが連帯して九州から株式公開する企業を輩出する目的で設立したIPO支援プロジェクト「九州IPO挑戦隊」から株式公開に必要な中期経営計画や資本政策などの指導を受けて公開準備を実施。

同社は「監査法人も確定しておりいつでも上場できる状況にある。しかし、現在、円安の状況で環境は良くないし収益の地合いも悪い」として今後、為替の推移を見ながら上場に踏み切る考え。上場は、福岡証券取引所を予定。

化粧品分析、ブルーム

 

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