【連載】美容漢方~漢方の新たな市場を創出~【3】氣生薬局、オリジナル漢方茶を皮きりに日常の食卓にも漢方を(下)

2016.12.16

特集

編集部

氣生薬局では、漢方カウンセリングと併せて、漢方茶の販売も行っている。計26種類をラインナップしており、いずれも原材料を炒るところから袋詰めまで、すべて手作業で行っているほどオリジナルにこだわっている。

売れ筋は腎ベースの「仁尽茶」(エゾウコギ、南蛮毛、連銭草、杜仲茶、けん実、蓮肉、小茴香)、冷えに対応できる「疎経茶」(ハブ茶、枸杞の実、ハトムギ、艾葉、紅花、銀杏葉、羅布麻、生姜)、目の疲れに良い「見健茶」(メグスリノキ、ハブ茶、枸杞の実、女貞子、菊の花)、不眠を解消したい人のための「満眠茶」(酸棗仁、棗の実、小麦、アマチャヅル、生姜)、インフルエンザや風邪予防の「ウイ留守茶」(板藍根、エゾウコギ、ハトムギ、金銀花、柿葉、明日葉、生姜)などが挙げられる。

美容関連では、「美魅茶」(プーアル茶、ルイボス、ローズペタル、ハイビスカス、かみつれ)が人気。また、アトピーなど肌のトラブルが気になる人には「荒好茶」(ハトムギ、ドクダミ、ジジュウム、金銀花、紫蘇葉、紅花、明日葉)もニーズが高い。「美も生活の一部なので、お茶を飲むという習慣をつけることで、内臓や心の美しさを実現してほしい」(久保田氏)。

近年、薄毛のお悩みも増えている。「現代人はみんな生きづらさを感じたり、老いに対する恐怖などを抱えている。女性ホルモンのバランスの乱れなどもあり、腎虚だということはハッキリ言える」(久保田氏)という。また、漢方では「髪は血の余り」という言葉もあることから、肝腎を養う「勢生茶」(ハトムギ、蒲公英根、杜仲葉、エゾウコギ、女貞子、黒胡麻、側柏葉)、血流を良くしてターンオーバーを早める「加美神茶」(ハトムギ、蒲公英根、陳皮、おから茶、紅参、エゾウコギ、側柏葉、紅花)をラインナップしている。いずれのお茶も患者からは「思ったより美味しいので続けられそうだ」と好評だ。

このほか、百貨店などとコラボして、薬膳系のBtoB向け製品にも力を入れている。直近では、ギフト用のふりかけとシーズニングをプロデュース。ふりかけには麻子仁、羅布麻、柿の葉、紫蘇葉などが、シーズニングには丁字、花椒、枸杞子などが配合されている。ご飯、麺類、豆腐、魚、デザートなど多岐に使うことができるという。

久保田氏によると、漢方の“苦い・まずい・高い”などといった伝統的な固定観念を払拭する取り組みの第一弾がオリジナル漢方茶だったという。近年、欧米風のカタカナ言葉に振り回された健康食品が巷に多く出回っているが、日本人には日本人に合った伝統的な食を摂ってほしいという願いから「薬食同源」に立ち返り、漢方と食とのコネクトに力を注いできた。その成果がふりかけやシーズニングであり、このほか、カレー粉や薬膳スープなど様々な食に関わる部分で監修も手掛けている。また、「漢方茶マイスター」という独自の資格制度を設けて、漢方茶の普及にも取り組んでいる。

「漢方といってもまだ敷居が高いと考えられている。だから食の部分まで間口を広げて、日常生活の根幹になるよう溶け込んでいってほしい」(久保田氏)と力を込める。

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