英バース大学が新しい光活性化の成分開発に成功

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2013.09.4

編集部

イギリスのバース大学薬学部の研究チームはUVA(長波長紫外線)フィルターとして機能する革新的な成分の開発に成功したことをこのほど発表した。この成分は太陽光に反応し活性化するので、日焼け止め成分として適用すると皮膚の損傷に対して有効的な保護作用を提供することができるという。

これまでに、人間の皮膚は太陽光のUVA成分​​にさらされたとき、皮膚が電子を解放してフリーラジカル(遊離基)を生成することが分析されている。フリーラジカルは有害な化学種で、細胞の脂肪、タンパク質、DNAと相互作用して皮膚細胞を損傷させると考えられている。遊離鉄の放出が有害なフリーラジカルの形成を促進し、皮膚の老化の原因になり、さらには皮膚癌の誘発にもつながるのではないかと研究が続けられている。

現在、使用されている日焼け止めクリームの成分にAntioxidants(酸化防止剤)があるが、この成分は皮膚の損傷から守ると同時に皮膚の細胞内で電子を放出しフリーラジカルを生成するとの指摘がある。これに対し、新しく開発された成分は、電子を放出することなく有害なフリーラジカルを中和させる画期的な機能も持つと、同大学Charareh Pourzand博士は説明する。

イギリスでは年間、10万人以上が皮膚がんを発病しており、その内、1万人が悪性黒色腫と診断されている。同研究チームは、新規化合物は皮膚損傷に対する保護性の高い効果的な手段を提供することができるので、医学界における潜在的影響は大きいであろうとしている。今後は早期の製品化と臨床試験に向けてさらに研究開発を進める方針とみられる。

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