ボツリヌス治療と不安・抑うつ症状の関連はないようだ

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2016.02.24

国際部

多汗症によるボツリヌス治療で不安や抑うつなどといった精神的な症状が見られるようになるかという仮説を検証した調査が2月15日、「The Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

局所的多汗症(primary hyperhidrosis)は、人口の約3%に影響を及ぼしており、患者の生活の質を低下させる。局所的多汗症は命にかかわる物ではなく、精神的または患者の日常生活に障害をもたらすものである。多汗症に使用されるボツリヌス治療中の不安、抑うつ、アルコール過剰摂取についてはあまりよく知られていないため、今回の調査を実施することとした。

114人の局所的多汗症患者に対し、ボツリヌス治療前と治療2週間後にアンケートによる調査を実施した。実施された調査は、多汗症重症度スケール(HDSS)、視覚的アナログ尺度(VAS)による多汗症の10ポイントスケール、病院不安・抑うつ尺度(HADS)、アルコール使用障害識別テスト(AUDIT)、ショートフォームによる健康調査(SF-36)だった。

調査に参加した患者の多汗症発症年齢は平均13.4歳で、48%は遺伝によるものだった。腋窩および手掌多汗症患者では、治療後に平均HDSSスケール値、VAS10ポイントスケール、HADS、SF-36に有意な改善が見られた。参加者全員に平均AUDIT値の有意な改善は見られなかった。ボツリヌス治療による症状の改善は確認されたが、今回の患者群では不安、抑うつ、アルコール過剰摂取の兆候は見られなかった。

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