連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【3】双日コスメティックス、企画開発力・提案力を武器に化粧事業推進(下)

2014.11.26

特集

編集部

双日コスメティックスは、研究施設や工場を保有していない。化粧品の企画開発力・提案力を武器にして最も適した大手OEM(相手先商標生産)メーカーをはじめ、小規模ながら革新的な発想・技術力を保有するOEM事業者などと連携を図りシナジーを結集しながら化粧品事業を推進するなど他社にはない強みを発揮している。

そうした化粧品事業の強さは、社内の組織体制からも伺い知れる。同社が武器とする企画・提案力は、営業部と市場の分析などを行うマーケティング課、商品の企画開発を行う商品開発課が三位一体となって取り組んでいる。
化粧品営業の最前線に立つ営業部は、200種類を超える商品アイテムを生協市場に熟知した営業担当者が販売企画を提案。同時に、ネット通販の電子商取引(EC)構築や新規販売チャネルの開拓などについてマーケティング課や商品開発課と連携を図りながら営業活動を推進している。
商品開発課は、最新の原料や技術・ノウハウを持つOEMメーカーとの相乗効果を発揮して商品の設計・開発を行う。マーケティング課は、化粧品のブランディングや販売促進の戦略立案などを行い、営業部と商品開発課へマーケティング情報を発信する。

双日コスメティックス/マーケティング部マーケティング課の写真こうした営業部、マーケティング部が連携してチームワーク力を発揮し、OEMメーカーとの相乗効果を発揮しながら化粧品事業の活力と強みを生み出している(写真)。また、社長直属の組織となっている品質保証課は、化粧水や乳液などの製造工場へ出向き、衛生管理や原料の保管、商品の検品などを厳しくチェックするなど化粧品の品質管理にも万全を期している。

同社は、ここへきて化粧品の海外展開を加速させる。海外展開は、親会社双日のネットワークを活かしながら、総合力に優れる現地パートナーを代理店として展開を図る計画。
特に、高い経済成長を見せる東南アジア諸国(ASEAN)のタイ、ベトナム、インドネシア、台湾などを主なターゲットとして進出を図る考え。
すでに、現地のマーケット規模や市場の成長性、価格・消費者の購買動向を調査するなどテストマーケティングをスタートさせている。中長期的テーマとして、既存事業の基盤強化や健康食品などの新規事業を立ち上げるなどして収益向上を図る。

こうした内外にわたって事業領域を拡大しながら3年―5年後にも売上高を100億円の大台に乗せる考え。
同社は、今年4月、新社長に松木幸夫氏が就任した。果たしてどのような成長路線を具体的に打ち出すか、その手腕が注目されるところだ。

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双日コスメティックス株式会社

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