【連載】化粧品各社のイノベーション研究【30】石田香粧① ~自社開発ブランド「ロータス化粧品」訪販中心に対面販売~

2016.06.27

特集

編集部

石田香粧株式会社(東京都台東区、未公開)は、大正4年(1915年)に石鹸・化粧品卸業の石田佐一商店を創業したのが始まり。今年7月で創業101年を迎える老舗企業だ。
社史の変遷とともに、新商品の市場投入(販売)も活発に行った。通販やエステサロン向け、訪問販売など新業態に合わせた新製品を相次いで投入した。
特に、昭和25年(1950年)に石田香粧株式会社に組織を変更して以降、ラモナー化粧品、ロータス化粧品など自社開発の基礎化粧品をはじめ、頭髪製品、メイクアップ製品、ボディ製品、芳香製品等の商品を次々と開発して販売するなど事業発展の礎を築いた。

昭和46年(1971年)には、埼玉県戸田市に工場を移設した後、業界でいち早く和漢植物成分を化粧品に取り入れたロータス化粧品「サンメールシリーズ」を中心に訪問販売を展開、昭和53年(1978年)から平成15年(2003年)まで25回に亘り、訪問販売員を対象にした「ビューティメイト全国大会」を開催するなど他社からも注目を浴びた。
平成10年(1998年)暮れに発売したハーブエキス入りの化粧品シリーズは、ロングセラーとなり、現在も愛用者が増え続けるなど人気商品となっている。

こうした幅広い商材を取り扱いながら現在、主軸商品になっているのが、訪販向けの対面販売方式(ネットワーク販売)で拡販を図っているロータス化粧品。
美容医学や皮膚医学等に基づいて改良を重ねてきたロータス化粧品は
ロータス化粧品「ナチュラルハーブシリーズ」①可溶性コラーゲンや天然成分配合の「ミノンシリーズ」
②和漢植物成分配合のスキンケア「サンメールシリーズ」
③ハーブエキスや自然保護因子配合の「ナチュラルハーシリーズ」(写真)
④アスタキサンチンやビタミンC配合の「サンメール21シリーズ」
⑤ヒアルロン酸や可溶性コラーゲンなどを配合した美容液
⑥UVケアなど6商品を数える。アイテム数は、全部で35品目にのぼっている。

ロータス化粧品の販売は、ビューティーメイト(訪問販売員)が顧客を訪問して対面販売する訪販と、代理店及び同社が直接、小売店に卸販売している。
また、別会社の株式会社IKコスメティクス(東京都目黒区)は、「トワエッセ」というブランドで単品通販を専門に行っている。

こうした自社ブランド化粧品の事業展開に取り組む一方で、大手食品メーカーの化粧品製造を引き受けた(1972年)ことをきっかけにOEM事業(相手先商標生産)に大きく舵をきり、現在、化粧品のOEM事業に収益を傾注するなど新たなイノベーションに積極果敢に取り組んでいる。

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