【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【42】ノンストレス② ~アイスタイル、VC等と株式譲渡契約、020サービスを強化~

2016.12.27

特集

編集部

ノンストレス解消美容・ネイルサロンのチェーン運営をはじめ海外化粧品の輸入販売、ネイルアプリの企画・運営及びネイルスクールの運営などの事業を展開する株式会社ノンストレスは、2013年2月に化粧品のクチコミサイトを運営するアイスタイル(東証1部)と資本提携するとともに、ベンチャーキャピタルのグロービス・キャピタル・パートナーズから投資を受け入れた。

投資に伴うノンストレスの株式取得は、ノンストレスの発行株式数の16.8%を占める。また、アイスタイルが9.1%の株式を取得した。譲渡価額は公表していない。すでにアイスタイルは、代表取締役社長兼CEOの吉松徹郎氏をノンストレスの役員(非常勤取締役)に送り込んでいる。

3社は、株式譲渡以降、アイスタイルの子会社アイスポットが運営するサロン情報サイト「アイスポット」との連携をはじめ、全国70店を超えるノンストレスのリアル店舗を通じた020サービス(ネット上の情報や活動が実店舗での購入につなげるため、ネット上で行われる販売促進やマーケティング活動のこと)の展開やサロン運営におけるIT技術の活用等に取り組んでいる。

ノンストレスがアイスタイルから資本参加を受けたのは、020サービスを推進するための資金として充当すること。また、グロービスからの投資は、020サービスの資金充当と合わせて020サービスの橋頭保を構築することで、ノンストレスの株式公開(上場)に繋げる狙いがあると見られる。

「現在、ノンストレスの経営と上場実現に向けて集中して取り組んでいる」(板野社長)ことから判断して、株式公開がテーブルの上に乗っているのは、確実視される。

だが、官報に記載されている同社(未上場)の直近3年間の業績は、2013年2月期当期純利益6491万円、2014年2月期同7967万円、2015年2月期当期純損失-7967万円、直近の2016年2月期は、当期純利益が2960万円と利益幅が縮小している。

その意味で020サービスの強化による収益の向上は、同社の事業がさらに成長・発展するか、大きな試金石といえる。

現在、同社は、社員約350名に占める女性社員の比率が94.8%、管理職に占める女性の比率が76.5%を占めるなど、女性が活躍するダイバーシティ企業の構築を目指している。

すでにダイバーシティ専門の推進室を設け、中長期のキャリアプランやライフプランの教育研修に力を入れて取り組むなど、女性が活躍する職場環境に力を入れている。そうした女性活躍の集団が今後、株式公開に踏み切れるか、大きな注目点である。

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