【連載】化粧品が起こすイノベーション・この技術に注目⑳マイクロニードル技術・化粧品への応用 ~北の達人、頬など部位の形状に特化した化粧品開発・販売~ (上)

2020.05.11

特集

編集部

マイクロニードル技術とは、微細針の先端部に化粧成分や薬剤等を含有させ、皮膚に貼付することで、体内に投与するパッチ形態の新規経皮吸収製剤。
皮膚中へ安全に薬剤を伝搬・伝送する「薬物伝達システム」(DDS)で、化粧品への応用が積極的に行われている。
マイクロニードルは、ステンレスやシリコンから成り「生体内非溶解型」とヒアルロン酸(HA)や糖類を主原料とし、有効成分が溶出しながら皮膚中へ浸透する自己溶解型とがある。いずれも微細な針がパッチ上に剣山状に並んだ構造を成す。

マイクロニードルの化粧品分野への応用について主な各社の取り組みを検証すると、化粧品や健康食品を主軸とするネット通販を展開する株式会社北の達人コーポレーション(北海道札幌市)は、マイクロニードル応用の化粧品「ヒアロディープパッチ」(写真)や「チークポアパッチ」を開発し、市場投入している。
ヒアロディープパッチは、保水力に優れた高品質なヒアルロン酸をメインに、ヒアルロン酸と相性の良い、加水分解コラーゲンとプラセンタエキスなど多数の美容成分を配合。
同社は「週に1回貼って寝るだけで、朝起きたら肌に貼りと潤いを実現するナイトケア化粧品」という。
現在、針の長さやシート形状を含めて目元・ほうれい線用、眉間用など部位ごとの特徴に特化したラインナップを展開中。

チークポアパッチは、ヒアルロン酸を中心とした頬の毛穴ならではの成分を配合するとともに頬の部位の形状に特化した部位専用のスキンケア化粧品。
いずれも浸透力を発揮させるため、ヒアルロン酸ニードル約750本を並べて敷き詰めたシートを肌に貼り付けて直接、肌内部に美容成分を届ける。
200μm(0.2mm)の微小な針(ヒアルロン酸ニードル)でできているため、針の先端部分が10〜15分で肌内部に溶け始めその後、5時間程度かけて肌の内部でヒアルロン酸等の美容成分が角質層までダイレクトに届き効率的に浸透させる。

同社がチークポアパッチを開発したのは、頬の毛穴がTゾーンに多く見られる「詰まり毛穴」と異なり「開いて見えることで、潤いやハリを与えるケアが重要」と判断。
そこで、頬の毛穴ならではの成分を配合、さらに、頬の部位の形状に特化した部位専用商品としてマイクロニードル技術を毛穴ケアに応用して開発した。

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