【連載】この中小化粧品会社に注目(54)ラビプレ(上)~自然由来成分配合の化粧品に力~

2021.04.26

特集

編集部

株式会社ラビプレ(青森県弘前市)は、青森県産の農産物や自然由来成分等を化粧品の素材として活用した「地場化粧品」の開発をはじめリンゴ、甘草などの栽培技術の確立及び知的財産権の保護などに力を入れて取り組む2009年創業のベンチャー企業。

青森県は、リンゴやニンニク、カシス、菜の花等多くの美容資源に恵まれている中で、青森県内の弘前大学を中心とする産学官が連携して化粧品原料「青森プロテオグリカン」を創出するなど技術集積地(クラスター)として名高い。

同社もこの産学官連携プロジェクトに参加し、サケの鼻軟膏から抽出した「プロテオグリカン」、自社農園で栽培する青森りんごを原料とした「APセラミド」、100年以上も途絶えていた国産甘草を復活させた津軽甘草など自然由来成分を配合した地場化粧品ブランド「ラヴィプレシューズAPGライン」(写真)を開発し、第一弾としてクリームを商品化して2011年4月に通販市場に投入した。以降、化粧水、乳液なども商品化した。また、同ブランドとして新たにPGシリーズを開発しプロテオグリカン配合のクリーム、ローション、スキンエッセンス、ソープ等を商品化するなどしてし現在、APGライン、PGシリーズを通販主体に販売している。

ところで、APGライン開発のベースになっているのが年齢肌の悩みを解決するために導き出した3つの自然由来成分A、P、Gによるアプローチ法。
りんご由来「APセラミド」は、自社農場のりんごを原料に、弘前大学で成分の分析を行った独自のセラミド。肌のすみずみまで成分を行き渡らせることで、内側に蓄えた水分を逃がすことなく抱え込んで潤いを増すのが特徴。
美容成分のプロテオグリカンは、保水力がヒアルロン酸の1.3倍。肌のウォーターバッグともいわれる水分と驚きの潤い持続力で、内側からふっくらはずむようなハリを与える。
津軽甘草から抽出したグリチルリチン酸は、肌の表面を柔らかくして「プロテオグリカン」と「APセラミド」が肌内部に浸透しやすくする機能を持つ。また、APGラインは、県の補助事業「あおもり元気企業チャレンジ助成事業」(2017年2月)に採択されて商品化した。

同社では今後、商品アイテムを増やし、海外での本格展開やグリチルリチン酸とAPセラミドの抽出までの工程を自社で行うなどの生産体制を整える方針。

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