ダリヤは、自然災害や火災、サイバー攻撃などの予期せぬ事態に遭遇した場合に備えてIBMのクラウドサービス「クイックエコ―セーブ」を導入し、社内情報システム（IT）のBCP（Business Continuity Plan＝事業継続計画）対策を確立した。

同社がIT―BCP対策として導入したのは、IBⅯのクラウドバックアップサービス「クイックエコ―セーブ」。
「クイックエコーセーブ」の主な特徴は
①区画ごとのバックアップを1台のサーバ確認することが可能
②遠隔地へのバックアップ場所は「ECOSAVE　FOR CIOUD」で解決できる。

同社が「クイックエコーセーブ」を選定し導入したのは、注文、出荷指図、仕入、請求などといった基幹業務の電子商取引（EDI）が拡大しているため、システムが停止してしまった場合のリスクが大きいこと。また、取引先からのBCP対策に関するアンケートが近年、定期的に求められていたことが主因。
特に、当日注文、発送を午前中に行うためEDIシステムが停止した場合、業務の影響度・損害はかなり大きくその日の売り上げ全てが損害になるなどのリスクがあった。

こうしたことから同社は「クイックエコーセーブ」の選定にあたって現状の運用を変更することなく導入が可能なこと。他社製品は、社内システムの変更が発生するため、運用を変える必要が生じ、その手間や負荷がかかってしまうなどの欠点があった。既存のシステムに手を加えずに導入できることは、選定の重要なポイントとなった。
現在、同社では「災害等の緊急事態にあってもITシステムのデータ等を消失することなく継続的にシステムを運用し早期にシステムを復旧させるなど、今までよりさらに1段階上のBCPレベルに持って行けたと評価している。

しかし、バックアップシステムの運用面での課題やシステム全体の課題など残されたいくつかの課題もある。
特に、情報システム内での運用の共有化が課題となっている。システムが停止した際のデータの復元などマニュアルの作成に取り組んでいる。また、IBM以外のサーバーやNASなどのデータも順次、クイックエコーセーブでバックアップを保管し、さらにクラウドバックアップのみで満足せず、システム・データ復旧のテストなども計画・実行し、システム運用における不安要素を排除していく方針。