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地中海食に老化を遅らせる可能性

学会誌「The Journals of Gerontology」3月号に、地中海食と健康的な高齢化に関する6本の論文が掲載されたことが3月30日、アメリカ老年学会(The Gerontological Society of America)からプレスリリースされた。

これらの論文では、地中海ダイエットが身体および認知機能と関連していること、慢性的な炎症を軽減することなどの新しい知見を得ている。しかし、健康的な老化を目指すために地中海ダイエットの食事パターンの定義が重要と、ジャーナル編集長のAnne B. Newman氏は述べている。

新鮮な野菜と果物、オリーブオイル、ナッツを多めに、魚は中程度で赤身肉や加工肉はごくわずかなどを特徴とする地中海ダイエット遵守の測定にはいくつかの尺度がある。パリ13大学の研究者らは「the Literature-based Adherence Score to the Mediterranean Diet」を用い、遵守スコアの高さが、健康な老化基準を満たす確率が高いことと関連しているとした。別の尺度「the Mediterranean Diet Scale」でも同様の結果が得られたが、相関関係は弱かった。マドリッド自治大学の研究者らは、「the Mediterranean Diet Adherence Screener」を用い、遵守率は高齢者の身体機能の障害率が低いことと関連しているとした。

地中海ダイエット遵守率が高いほど好ましい健康効果があることの正確なメカニズムはまだ明確ではないが、ワシントン大学の研究者らによる論文では、地中海食パターンによって引き起こされた5つの重要なエビデンス、すなわち、脂質の低下、酸化ストレスおよび炎症からの保護作用、がんを促進する成長因子の改変、アミノ酸制限による栄養源感知経路の阻害、代謝産物の腸内微生物媒介性産生の抑制が見られることが報告されている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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