(85)エヌアイエル/上 ~ナノ粒子形成技術、NEDOプロに認定~

2021.10.6

特集

編集部

エヌアイエル(東京都千代田区)は、抗齢化・抗老化(アンチエイジング)対応のヘアケア製品等を主体に開発・販売する研究開発型ベンチャー。現在の社員数は、約11名、第3者割当増資に伴い資本金は、2憶3491万円(資本準備金含む)となっている。。
NEDO(産総機構)が推進するプロジェクト「2014年度研究開発型ベンチャー支援事業」に「スーパーナノ粒子化によりバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)を向上させた生理活性物質の事業化」がプロジェクトに認定されたことを契機に㈱ナノイノベーション研究所を設立(2015年2月)し起業化(創業)した。

NEDOプロに選定された生理活性物質(化粧品等の基本的な機能向上や薬理的効果を高めるために配合する生理活性成分)の事業化は、ナノ技術「スーパーナノ粒子「SNP」(SUPER NANO PARTICLE)技術を応用して生理活性物質のバイオアベイラビリティを向上させたオンリーワンの化粧品等を開発し、高齢化社会のニーズに応えるためアンチエイジング技術で社会貢献をするというもの。
同社のオリジナル技術で、コア技術のスーパーナノ粒子SNPは、フローマイクロリアクターなどの特殊デバイスを用いて粒子径20~30nmのナノ粒子を安定で高生産するだけでなく、複数の天然生理活性成分を粒子内に秩序正しく配置させることで様々に機能化できる革新的なナノ粒子形成技術。
従来、物性の制御が難しかった天然生理活性成分を有効性を高めつつ安定的にナノ粒子が形成出来る。
一般的なナノ粒子よりさらに小さいサイズで、成分がより浸透・吸収されやすくなるようデザインした状態でナノ化する技術。肌にやさしいものの、代謝されやすく浸透しにくい植物成分を、無駄なく、効率良く届けることを目的に開発した。
SNPは、頭皮そのもののエイジングケアにも有用な希少価値の高い植物成分をより、アクティブに働かせてメラニンの産生と輸送を促す先導役となる。
また、バイオアベイラビリティは、人体に投与された薬物のうち、どれだけの量が全身に循環するか、を示す指標。
同社は、NEDOプロジェクトに認定され事業化を促進するため、2017年7月に社名をナノイノベーション研究所から、現社名に変更した。
さらに同時期に、事業化資金を調達するため総額1億6000万円の第三者割当増資を実施した。主な引受先は、ファストトラックイニシアティブ、アルコパートナーズ、SMBCベンチャーキャピタルなどの投資ファンド企業。

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