洗顔後すぐに使用し、その後のスキンケアの浸透を高める「ブースター(導入美容液・誘導美容液)」。2009年にランコムの「ジェニフィック」がヒットして以来、スキンケアの新しい手順として定着し、市場は拡大傾向にあります。
今回、株式会社美容経済新聞社が全国の20代〜60代の女性500名を対象に実施した「ブースターに関する意識調査(2020年)」の結果から、消費者のリアルな実態や市場のポテンシャルが見えてきました。
利用状況:利用者の98%が「継続希望」!満足度の高さが浮き彫りに

全体の利用状況を見ると、「現在使用している」人は21%、「過去に使用した(現在中止)」人は14%でした。最も多かったのは「未使用者」の57%で、半数以上を占めています。
特筆すべきは、現使用者の98%が「継続して使用したい」と回答している点です。さらに、現在中止している人でも58%が「今後また使用したい」と答えており、一度その魅力を実感した女性にとって、ブースターは手放せないアイテムになっていることがわかります。
購買行動:「ネットで調べて実店舗で買う」が主流

ブースターを使用し始めたきっかけは、「インターネット(口コミサイト、メーカー公式HPなど)」が44%でトップ。次いで「友人・知人や美容部員の薦め(29%)」、「テスター(14%)」が続きました。美容に関心の高い層が、自ら積極的に情報収集をしている様子がうかがえます。
一方で、購入経路については「店頭購入」が54%と半数を超え、インターネット購入(32%)を上回りました。「ネットで情報を集め、店頭で実際に商品を確かめてから購入する」という堅実な購買行動が主流のようです。
期待する効果と「やめた理由」のギャップ

消費者がブースターに最も期待しているのは「保湿効果(32%)」、次いで「化粧水等の浸透力を高める(18%)」でした。これはメーカー側が想定する「美容成分の浸透・活性化により副次的に保湿・潤いがあがる」という効果と概ね一致しています。
しかし、使用を中止した人の理由を見ると、「期待したほどの効果が得られなかった」が53%で最多となりました。次いで「価格のハードル(値段が高い・値段のわりに効果がない:計31%)」「ワンステップ増えるのが面倒(14%)」と続いています。高い期待を持って使い始めたものの、期待と実感にギャップが生じて離脱してしまうケースが多いようです。
まとめ:市場拡大のカギは「効果の啓蒙」と「未使用・中止層へのアプローチ」
各メーカーがリニューアル商品の発売や新規参入を続けており、ブースター市場は今後もさらに拡大して推移していくと予想されます。
本調査から明らかになったのは、ブースターが持つ「非常に高いポテンシャル」です。市場を牽引するアーリーアダプター層(現使用者)は、商品知識を持った上で自らアイテムを選別して使用しており、実に98%が継続使用を希望しています。また、現在は使用を中止している層でも58%が「今後の使用(再開)を希望する」と回答しており、商品を正しく使い、ある程度の効果を実感したユーザーからの信頼は非常に厚いことがわかります。
一方で、今後の課題も見えてきました。 最大の課題は、全体の半数以上を占める「未使用者(57%)」へのアプローチです。未使用者の内訳を見ると「商品について知らないから使う予定がない」という人が55%を占める一方で、「商品を知っているから使ってみたい」と潜在的な意欲を持つ人も一定数存在しています。つまり、情報発信によって認知度を上げ、「洗顔後にワンステップ追加することで、どのようなメリットがあるのか」を正しく、分かりやすく強調することが、新規顧客獲得の必須条件と言えます。
さらに、使用を中止した層の中で「今後の使用を希望しない(42%)」と回答したユーザーをどう呼び戻すかも重要なポイントです。彼らの離脱理由である「期待した効果が得られなかった」「価格が見合わない」「面倒」といった不満に対し、メーカーや販売側は、即効性だけでなく継続することのメリットを伝えたり、相乗効果の仕組みを丁寧に説明したりする必要があります。
「高い満足度を持つ現使用者」をベースにしつつ、未認知層への分かりやすい情報発信と、離脱層に対する正しい効果の啓蒙・コミュニケーションを深めていくことが、今後のブースター市場発展のカギとなるでしょう。
