東南アジアの化粧品市場 購買意欲が高まる若年層の取り込みが成長の鍵

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2014.11.18

編集部

株式会社総合企画センター大阪(大阪市西区)は、タイ・インドネシア・マレーシア・ベトナム・ミャンマー を対象とした東南アジアの化粧品市場について調査結果を発表した。

◆2013年度の東南アジア5カ国(タイ・インドネシア・マレーシア・ベトナム・ミャンマー)の化粧品市場は前年度比10.2%増の5,863億円と好調に推移。同地域では、高い経済成長により特に若い女性の購買意欲が高まっていることから、化粧品に対する需要が拡大している。また、男性の化粧品に対するニーズも高まっており、市場の活性化につながっている。

◆国別では、タイは前年度比9.1%増で推移。「POND’S」(Unilever)などの美白ケアシリーズを展開するブランドが若年層を獲得している。また、「植物物語フォーメン」(ライオン)などの男性向けブランドも大きく伸長している。このほか、地方部での消費力が高まっていることから、「Za」(資生堂)などがハイパーマーケットやCVSにチャネルを拡大する動きもみられる。

◆インドネシアは、前年度比12.9%増で推移。「ザ・ボディショップ」(L’Oreal)など自然派ブランドが自然派志向やムスリム顧客を獲得しているほか、「ガルニエメン」(L’Oreal)など男性向けスキンケアブランドも大きく伸長している。また、マンダムやUnileverなどはダウンサイジング商品を展開し、地方の低所得者の新規顧客の獲得を図っている。

◆マレーシアは、前年度比7.3%増で推移。同国では幅広い世代で化粧品を使用する習慣が定着していることに加え、可処分所得が増えていることから、高級志向や自然派志向などニーズが多様化している。これにより、「SK-II」(P&G)や「SHISEIDO」(資生堂)、「植物物語」(ライオン)などが好調に推移している。

◆このほか、ベトナムは前年度比8.8%増で推移。同国では雑誌や広告の影響を受けて、特に若い世代で白い肌に憧れる女性が増えていることから、「OLAY」(P&G)などの美白を謳った商品や「メンソレータムサンプレイ」(ロート製薬)などの日焼け止め商品が好調に推移している。またミャンマーは、前年度比5.2%増で推移。2010年代の経済制裁の解除やTVなどの影響により、特に若い世代の間でスキンケアやメイクアップなどの化粧品需要が高まっており、今後参入企業が増えることが予想される。

◆2014年度についても、東南アジア5カ国の化粧品市場は2013年度比9.9%増と好調に推移する見通しである。日系・欧米企業は美白ケアなどの機能性化粧品を一層強化するほか、男性や自然派志向、中華系に向けたブランドやハラル化粧品などを導入し需要の獲得を図る考え。また、ハイパーマーケットやDgSなどへチャネルを拡大するとともに、TVCMやウェブ、SNSを活用した販促活動により、購買意欲の高い若年層の取り込みを図っていく方向にある。

「2014年 東南アジアの化粧品市場」
資料体裁:A4判184頁
発刊日:2014年11月17日
頒価:87,000円(税抜)

参考リンク
2014年 東南アジアの化粧品市場

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