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肥満治療の最終兵器? 腸マイクロバイオームで減量

米デンバーで、3月22-26日にアメリカ化学学会の第249回学術集会が開催された。この中で、腸の常在菌叢(マイクロバイオーム)を利用した肥満治療の可能性が紹介された。

腸マイクロバイオームを変更することは、肥満や高脂血症などの代謝障害を治療するのに有用で長期的な治療戦略であり、腸内細菌の遺伝的改変は、長期の薬物投与なしで代謝性疾患を緩和するひとつの方法である。

米ヴァンダービルト大学医学部のSean Davies博士らの研究チームは、人間の腸にいる大腸菌「E. coli Nissle 1917 (EcN) 」に、N-acyl-phosphatidylethanolamines を分泌する pNAPE-EcN(NAPE acyltransferase) という遺伝子を組み込んだ。NAPE acyltransferaseは小腸で、食欲抑制作用を持つNAEs (N-acyl-ethanolamines) に変化する物質だ。

マウスを使った12週間の実験で、この遺伝子組み換えの細菌の入った水を1回飲ませた高脂肪食マウスの体重は増加しなかった。また博士らは、細菌を飲ませたマウスの糞からは、4週間にわたって遺伝子組み換えの細菌が見つかるため、効果は少なくとも4週間続くとしている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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