「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【3】新日本製薬、紫根抽出エキス配合美容液など販売(下)
2015.05.21
編集部
新日本製薬は、自社栽培した紫根などの生薬を配合した化粧品ビジネスを活発化させている。
現在、市場投入している生薬配合の主な化粧品は、2014年10月に化粧水・乳液・クリーム・美容液・パック・化粧下地の6つの機能を1つに凝縮した「パーフェクトワンリフティングジュエル」や自社栽培の紫根から抽出した紫根エキス配合し、2015年3月に市場投入した「薬用SPホワイトニングコセントレート」(写真)と「薬用SPホワイトニングコンシーラー」(写真)などがある。
「薬用SPホワイトニングコセントレート」は、薬用の美白美容液。薬物搬送システム(ドラッグデリバリーシステム)を応用して23種類の保湿成分を角質層まで送り届けて美白と肌荒れをトータルケア。また、独自配合の複合型リフティングコラーゲンと抗炎症作用を持つ成分の紫根エキスを配合した。
「パーフェクトワン薬用SPホワイトニングコンシーラー」は、紫外線を防ぎながらメラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐ多機能美白コンシーラー。
紫根抽出エキスや美白成分のビタミンC誘導体と消炎成分グリチルレチン酸ステアリルの有効成分を配合。さらに、光をコントロールする「クリスタルフィットパウダー」とシミとの境目を作らない「スポットブレンドカラー」の組み合わせで、自然なカバー力を実現している。
これらSPシリーズ化粧品は、①落とす(オールインワン洗顔)②潤す(オールインワンジェル)③仕上げる(オールインワンファンデーション)の3つの機能を持つのが共通の特徴。
同社が生薬配合の化粧品開発を進める中で、国の保護対象で稀少植物の紫根から抽出したエキスに含まれる物質「シコニン」が、皮膚機能を保つ線維芽細胞を増殖させる効果やたんぱく分解酵素「コラゲナーゼ」の活性阻害作用を持つことを解明した。エビデンス線維芽細胞は、皮膚の機能を保つ上で最も重要な細胞のひとつ。同社は「損傷が加わるとコラーゲンやエラスチンを産生すること。また、スクワラン、アセロラ種子エキスなどと比べて高い角質層水分の保持効果を認めた」という。
同社が紫根エキスなど生薬配合の化粧品を開発し市場に打って出ているのは、商品ラインアップを拡充することで、シリーズとしての商品訴求力を高めること。同時に、これまで培ってきた生薬の国内栽培の研究成果を活かした商品展開で、他社との違いを打ち出すのが狙い。
現在、主要化粧品の販売チャネルは、通販と百貨店内での直営店舗開設による対面販売、総合スーパー、量販店での店頭販売(卸)を中心に展開している。
同社は、今後とも年齢に応じた「エイジングケア」が実感できる化粧品開発や人間の美と健康を支えてきた和漢植物が持つ「自然の生命力」へのこだわり。それに、先端のテクノロジーを駆使して配合成分の効果を最大限に引き出すことなど3つのこだわりを基本に据えてビジネス展開を図っていく考え。