【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【4】バルクオム① ~クラウドファンディングから事業資金調達~

2016.07.20

特集

編集部

株式会社バルクオム(東京都港区、社長野口卓也氏)は、クラウドファンディングで事業資金を調達し、リンゴ幹細胞エキスを配合した自社ブランド(バルクオム)の男性化粧品をメンズ市場に投入するベンチャー企業。
会社を設立(法人設立2014年5月)して約2年を経過した現在、ネット通販とロフトやハンズなどのバラエティショップを中心に卸販売するなど、事業が成長軌道に乗ってきた。

ベンチャー企業や創業・開業する起業家にとって、事業を早急に立ち上げて事業を成長軌道に乗せるためには、金融機関やベンチャーキャピタル(VC)、ファンドなどからビジネスモデルを内容としたビジネスプランを策定して、自前の資金以外に事業資金を調達することが不可欠。
同社の野口代表は事業を行うにあたり、事業の資金調達法として2014年4月にクラウドファンディング運営会社に対して、日本の美容技術を世界に発信するエステサロンに関して提案を行った。この提案内容がクラウドファンディング運営会社から評価されて、3000万円強にのぼる資金調達を実現した。

クラウドファンディングによる資金の調達法は、資金を投下する投資家と資金の供給を受けるベンチャー企業がネット上でお見合いをして事業資金を獲得する手法。
ファンド運営会社が投資家、資産家などから投資金を募って、ネット上にファンドを創設する。同時に、ファンド運営会社は、ベンチャー企業が策定したビジネスモデルと事業計画を事前に提出してもらい保管。実際に投資家が投資する段階で、事業計画に盛り込んだ事業の成長性・発展性ついて投資家に開示して投資の判断材料にする。
クラウドファンディングには
①出資金額に応じて品物やサービスをリターンとして受け取ることができる購入型
②不特定多数の人から事業に必要な資金を借り入れて銀行などよりも高い金利で貸し主に返済していく貸付型
③インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集め、リターンとして出資金額に応じて株式を付与する株式型 の3形態がある。

購入型は、投資家がプロジェクトへ出資することで、そのリターンとして支援金額に応じた金銭以外の商品やサービスが手に入るタイプ。この購入型クラウドファンディングは、投資が成功してから商品の制作やサービスの提供を行うため、先行販売(事前購入)という形態に近い。
寄付型は、ベンチャーの事業に対して出資するが、寄付行為であるためリターンは発生しない。
金融型は、出資者が特定の企業などに出資を行い、リターンとして配当や利益の一部または株式が授受できるタイプ。

こうしたクラウドファンディングによる投資見合いは、1980年代初頭、米国シリコンバレーで始まったネット投資を起源としている。現在、国内の主要クラウドファンディング事業運営会社数は、約100社にのぼる見込み。投資規模は、年々、大規模化しており1件当たりの投資規模は、5千万から6千万円と大型化している。
ベンチャー企業や創業者にとって事業資金の調達先として存在感を増している。

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