【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【27】グラフィコ① ~グラフィコ、早期に再上場目指す~

2016.11.1

特集

編集部

株式会社グラフィコ(東京都品川区)は、1996年11月にスタジオグラフィコとして創業し、2013年11月に現社名に変更した。同社は、化粧品・健康食品・女性向け雑貨品などのオリジナル商品の企画開発から販売まで一貫して手掛けるハブレスメーカー。特に、商品開発型ベンチャーとして「分析された理論」と「消費者視点の感覚」を基軸に、女性向け商品のミリオンセラーを相次いで叩き出すなど事業が成長軌道に乗っている。

こうした事業成長を象徴する動きとして同社の東証マザーズへの上場が一躍、注目されることになった。

同社の上場問題は、昨年12月16日に東証マザーズ市場に上場申請を行い、同年12月25日に上場予定となっていた。
ところが上場予定前に同社が東証に対して新規上場を取り止める旨の申し出を行ったことから、「東証が上場承認を取り消す」事態になった。

同社が上場中止を決めたのは、表向きの理由として2016年6月期業績の進捗を慎重に確認すべきと判断し、業績確認に時間を要することから、募集株式発行及び株式売出の中止とそれに伴う上場予定を延期することを決議した」ことによる。

しかし、関係筋によると、主幹事証券会社への「監査報告書」に「不適正意見」(コンフォートレター)が表記されたことが原因と分析している。
いわば、上場直前になって監査法人が主幹事証券会社に対し、コンフォートレターで不適正意見を表明し、「今期業績の進捗を慎重に確認すべき状況にある」ことを指摘し、この指摘を東証が問題視したという見方だ。

要は、業績が予想通りにいかない可能性が高くなってきたことが、上場中止に追い込まれた要因とみられている。

同社の前々期(2015年6月期)業績は、期中に15の新規商品を市場に投入し、テレビ等のメディアを活用したPR活動を推進して、商品の認知度向上を図った。その結果、売上高17億9000万円(前期比29.3%増)、営業利益1億8200万円(同46.9%増)、経常利益1億7200万円(同30.4%増)、当期利益1億5400万円(同46.7%増)となっている。また、前期(2016年6月期=非連結)の業績は、新たに約15の新商品投入攻勢で収益を押し上げる見通し。売上高は、前期比13.5%増の20億3200万円と20億円の大台に乗せを狙ったが、19億3900万円と見通しを下回った。
無題

今後、株式公開を再申請するのは、いつになるのか注目されるが「早期に上場を目指す」としているものの申請時期、公開時期とも未定。

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