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【9】銀座BeautyLife、お客の気持ちに寄り添ったカウンセリングを実践(上)

有限会社銀座ドリーム(東京都中央区)が東京・銀座で運営している漢方薬局「銀座BeautyLife」では、漢方コンシェルジュの長尾成晃氏が、中医学に基づく美容のためのカウンセリングを行っている。このほど、スマホで読めるeBOOK「銀座セレブの素肌美習慣」をリリース。古代中国で実践されていた宮廷美容を提案している。

同社はもともと、日本髪の“かもじ”を製造販売していた。そこから美容室、ブティック、化粧品販売など美に関わる事業を展開してきたが、中医学との出会いをきっかけに、本物の美は身体の中から実現するものだということに気づき、漢方薬局を開設することとなった。

「開設当時から美容専門の漢方薬局を志向していた。カウンセリングをしていても、医療の側面から漢方を説明するより、美容やダイエットに絡めてお話しするとお客さんが聞き耳を立ててくれる」(長尾氏)といい、美容を切り口にすることで漢方への関心を喚起している。

来店するお客は、東京・銀座という地の利からホステス、OL、観光客などが多いという。年齢層の中心は30~40代女性で、その母親世代の60~70代もいる。観光客はさまざまな国から来るが、中国人のインバウンドが多く、日本製の品質の高さはよく知られている。長尾氏は中国語での接客もできる。

中国人客に特徴的なのは、「“補気”とか“瘀血”とか、中医学の専門用語を普通に知っていて、説明する必要がないので販売しやすい」(長尾氏)こと。むしろ、日本人に対して中医学を説明することの難しさを感じるといい、「いかに日常の生活者が理解できる言葉に変換して説明していくかが課題だ」(同氏)。

長尾氏がカウンセリングの際に気を付けていることは、お客の日常生活や気持ちの部分に耳を澄ますことだという。中医学には“七情”(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)という言葉があるように、さまざまな感情の動きが臓腑に影響を与えるため、メンタル面も重視する。「働く女性が増え、ストレスを抱えているというお話しはよく聞く。日常生活で悩みを打ち明けられる相手がいない人は多い」(長尾氏)。

そこで、長尾氏は数年前から白衣を着なくなったという。「白衣を着た人間の前では人は緊張してしまいがち。しかし、白衣を脱ぐとお客さんは気軽にお話ししてくれる」(長尾氏)といい、心の奥にある本心を聞き出せるようになったという。このほか、相談を受けたお客に対しては、症状の経過を気遣う手紙をしたためたり、メールやラインなどSNSを使って細かにフォロー。お客との信頼関係の醸成に努めている。※(下)に続く

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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