大手化粧品9社の今期業績、軒並み増収増益を見込む

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2017.04.28

編集部

美容経済新聞社調査による大手化粧品9社の今期(2017年)業績見通し(表参照)は、中国の爆買いやアジア市場での需要が堅調であることなどから各社とも増収増益を予想。中でも本業での儲けを表す営業利益の低さが指摘されてきた株式会社資生堂(東京都中央区)は、今期の営業利益が前期比約87億円増の455億円に膨らむ見込み。また、株式会社コーセー(東京都中央区)とポーラ・オリビスホールディングス(東京都中央区)の営業利益の差が徐々にかい離してきた。

資生堂は今期、プレステージやメイドインジャパンブランド、デジタル・Eコマースなど今後の拡大が期待できる領域への選択と集中により、高い成長をめざす。同時に、収益性の改善に向けてブランドごとのリターン管理を徹底するほか、低採算ブランドの立て直しや事業・ブランドポートフォリオの大胆な見直しなどに取り組む。
これらの施策によって、今期の売上高9400億円、営業利益455億円、当期利益260億円を予想。特に、本業での儲けを示す営業利益は、前期比87億円増える見込みで回復の期待が高い。

コーセーの今期業績(2017年3月期)は、売上高2667億円、営業利益391億円、当期利益216億円となる見込み。
売上高は、化粧品事業のハイプレステージ領域とコスメタリー事業の主要ブランドが牽引したこと、同時に、各セグメントのメイクブランドが好調に推移したことが要因。売り上げは、4期連続で過去最高となる見込み。

ポーラオリビスは、今期の重点政策として「経営基盤の強化」(研究・人材・ガバナンス強化)に加えて、「資本効率の更なる向上と株主還元の充実」を重点戦略と位置づけて取り組む。
これにより今期の業績(2017年12月期)は、売上高2270億円、営業利益310億円、当期利益200億円を見込む。一時期、コーセーとポーラオリビスの営業利益の差が20億円程度にまで拮抗していたが、今期は、コーセーがポーラオリビスを約80億円程度引き離すなどかい離状況にある。

株式会社ハーバー研究所(東京都千代田区)の2017年3月期予想は、地域エリア深耕を主軸に通信販売、店舗販売及び流通事業の主要地域エリアでの最適化を行い広告戦略、販売促進イベントの相乗効果などで、売上高168億円、営業利益18億円、当期利益11億7000万円を見込む。

株式会社マンダム(大阪府大阪市)の2017年3月期業績は、持続的な成長の実現に向けて「コア事業である男性グルーミング事業の持続的な成長」「女性コスメティック事業の展開スピードのアップ」「成長エンジンである海外事業の継続強化」に取り組んだことが奏功し、売上高768億円、営業利益74億円、当期利益50億円を予想。

株式会社シーボン(神奈川県横浜市)は、新規出店、ブランド認知の徹底化、集客・販売チャネルの多様化などによる新規顧客の獲得が奏功して増収総益を見込む。

株式会社ノエビア(兵庫県神戸市)の化粧品事業は、カウンセリング化粧品、セルフ化粧品とも新商品及び高級基礎シリーズが堅調に推移することで業績が伸長する見通し。また、株式会社シーズ・ホールディングス(東京都渋谷区)は、広告、販促イベントの相乗効果で大幅に収益を伸ばす見通し。

株式会社ミルボン(大阪府大阪市)は、美容室に対して「生涯美容師の育成」を支援し、世代波及消費による生産性の向上に取り組んだ。同時に、プレミアムブランド「ミルボン」のグローバル市場における本格展開に力を入れ業績が伸長する見込み。

 

 

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