【連載】大手化粧品会社の研究⑬アイスタイルの会社研究 ~アットコスメの月間ユーザー数1330万人、業績も絶好調~(上)

2018.03.26

特集

編集部

株式会社アイスタイル(東京都港区、第1部上場)は、国内最大のコスメ・美容総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を企画・運営事業を展開している。1997年7月に創業して以降、アットコスメの月間ユーザー数は、1330万人(2017年6月末現在)、登録店舗数7000店、国内外店舗数27店舗のネットワークを構築し、次々と新たなサービスに乗り出して事業を拡大している。
現在、18社の連結対象子会社等と一体となって
➀オンプラットフォーム事業
②ビューティサービス事業
③グローバル事業
④人材派遣などその他事業を展開している。

オンプラットフォーム事業は、同社が運営する美容系総合ポータルサイト「アットコスメ」を基盤に広告をはじめとする企業間取引「B to Bサービス」と一般ユーザー向けの「B to Cサービス」双方の事業を展開している。

ビューティサービス事業は、国内における化粧品EC(電子商取引)サイトの運営や化粧品専門店「アットコスメストア」の展開・運営及びプライベートブランドの企画・開発・販売を展開している。

グローバル事業は、中国における越境ECや海外店舗を台湾にオープンするなど実店舗展開をはかっている。

こうした収益事業で同社の業績はすこぶる好調、前期(2016年6月期)の業績(連結ベース)は、売上高188億88百万円、営業利益14億65百万円、利益10億76百万円となった。
前期におけるカテゴリー別業績を見ると「アットコスメ」を基盤に広告をはじめとする企業間取引「B to Bサービス」と一般ユーザー向けの「B to Cサービス」双方を展開するオンプラットフォーム事業が売上高68億40百万円(前年同期比16.8%増)、利益25億51百万円(前年同期比20.0%増)となった。

国内における化粧品ECサイトや化粧品専門店「アットコスメストア」の運営やプライベートブランドの企画・開発・販売を行うビューティサービス事業は、キャンペーンの実施や取扱商品の強化などを図ったことで売上が好調に推移。また、国内の店舗については、店舗数が期初から13店舗増(M&Aにより取得した4店舗含む)の24店舗となったこと。また、プライベートブランド3商品を販売(同社グループの国内外ECサイトや店舗での販売のほか日本、中国、米国での卸売も実施)した。この結果、売上高87億84百万円(前年同期比49.7%増)、利益2億29百万円(前年同期比48.4%減)となった。

グローバル事業は、初の海外店舗を台湾にオープン。さらに美容に関する事業を展開する米国、台湾、マレーシアなど企業3社の株式を取得し子会社化した。
この結果、売上高29億59百万円(前年同期比18.9%増)、利益1億33百万円(前年同期比50.9%減)となった。

その他事業として美容部員等を派遣する人材派遣事業と創業間もない企業も含め幅広い成長ステージの企業に投資する投資育成事業をおこなっている。売上高は約3億円にのぼる。

今期(2018年6月期)の業績見通しは、2017年6月期に子会社化を決定した海外美容関連事業を行う企業3社の利益を2018年6月期第1四半期連結会計期間より連結する。3社の連結に伴い、3社に対するのれんの償却(年間償却額約3億50百万円)を開始する。また、営業投資有価証券の売却を見込んでおり、売却による影響額は、その他の事業においてセグメント利益約3億50百万円を予定。その他、既存事業の成長を勘案し、2018年6月期連結業績は売上高 266億円(前年同期比40.8%増)、営業利益20億円(前年同期比較36.5%増)、当期純利益 11億50百万円(前年同期比較6.9%増)を見込む。

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