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資生堂、再生医療のメカニズムに基づくスキンケア可能に

株式会社資生堂(東京都中央区)は24日、コレステロール合成酵素DHCR7が正常な肌の生まれ変わり(表皮の分化)に重要な役割を果たしていることを明らかにし、この酵素を増加させる薬剤を新たに見出したと発表した。これにより、美容医療と同じメカニズムに基づくスキンケアを自分で行えるようになる。

同社は、皮膚老化の改善を目的とした再生医療W-PRP施術に着目して、そのメカニズムを化粧品に応用する目的で医師との共同研究を進めてきた。W-PRP施術は美容医療、整形外科、歯科領域などで行われている再生医療であるPRP施術のひとつで、自分の血液の血小板及び白血球を含む画分(白血球含有多血小板血漿/ White blood cell containing platelet rich plasma)を肌に注射して組織再生を促す施術。

美容医療領域では目・口廻りにW-PRPを施術することにより皮膚状態が改善すると言われている。同社は2009年に医師と共同でその効果や作用メカニズムの研究に着手し、ヒト皮膚の細胞で発現している遺伝子約2万個をDNAマイクロアレイを用いて網羅的に解析した。

その結果、W-PRP施術によりコレステロール合成酵素DHCR7遺伝子の発現が増加することを発見。表皮でコレステロール合成酵素DHCR7が多く産生されていることを確認した。さらに、ヒト培養表皮角化細胞でコレステロール合成酵素DHCR7の働きを阻害すると分化が抑制されたことから、表皮の分化にはコレステロール合成が重要であることを明らかにした。

そこで、ヒト培養表皮角化細胞を用いてコレステロール合成酵素DHCR7遺伝子の発現を増加させる薬剤を探索した結果、酢酸レチノールがDHCR7遺伝子の発現を増加させることを発見した。今後、酢酸レチノールを新たなスキンケア化粧品の開発に応用する予定としている。

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