【連載】大手化粧品会社の研究㉑コタの会社研究 ~美容室の経営改善に「旬報店システム」を導入~(中)

2018.05.15

特集

編集部

同社は、取引先の美容室を介して一般消費者にトイレタリー、整髪料、育毛剤を販売しており、美容室の業績が同社の業績を大きく左右する要因となっている。
そうした美容室の経営強化を事業の要諦に据えて取り組んでいるのが「旬報店システム」(写真)と呼ぶ独自のコンサルティング・セールスによる美容室の経営改善システムである。
旬報店システムは、1980年に美容室の経営改善による収益向上を目的に「週報店システム」としてシステムを作った。以降、年々システムを進化させてシステムの充実を図り、現在では「旬報店システム」として店販戦略を推進するビジネスモデルとなっている。

このコンサルティング・セールスによる「旬報店システム」は美容室に対して無料で、経営アドバイスを行う代わりに同社の製品のみを使う美容室約300件が対象となっている。
コンサルによる旬報店システムの推進は、美容室の業績を向上させるため、財務状況をだけを見てアドバイスを行うのではなく、美容室の売上を作るうえで重要な要素である「来店客数」と「客単価」に関連する項目についても目標数値を設定し進捗状況を確認する。また、客数や客単価向上のために確認すべき項目(総客数、パーマ客数、カラー客数、トリートメント客数等)にそれぞれ意味づけを行い、1ヶ月の売上目標と各項目の目標を美容室の営業日数で割り、週単位で目標に対する達成状況を管理できる仕組みを作った。

「旬報店システム」では、美容室と将来のビジョン(目標)を共有し、そこに至るまでの計画を立案、現状分析を行い、目標達成に向けた具体策を提案。同時に、目標に対する日々の進捗状況を管理し、現状に合わせた経営アドバイスを行うことで、美容室の業績向上を実現する。美容室と将来のビジョン(目標)を共有し、そこに至るまでの計画を立案、現状分析を行い、目標達成に向けた具体策を提案。同時に、目標に対する日々の進捗状況を管理し、現状に合わせた経営アドバイスを行うことで、美容室の業績向上を実現する狙い。

美容室の経営者等に対する旬報店システムに関するコンサルの流れは、営業担当者が中心となって
➀美容室経営者の業績向上に対する意識・意思を変える
②過去の経営データを分析し現状の把握と課題を抽出する
③数値目標を設定し情報の共有を図る
④課題解決案を提案し実行する
⑤旬報分析表により旬報進捗を把握する。

コンサルセールスによる美容室への旬報システム導入は、美容室の業績向上と合わせて同社の商品販売や収益状況にも大きく左右するだけにコンサルの質的向上が一段と望まれる。

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