難培養性腸内細菌培養技術の開発に向け共同研究を開始
2018.06.22
編集部
慶應義塾大学先端生命科学研究所(所長・冨田勝氏)、地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC、理事長・馬来義弘氏)、森下仁丹株式会社(大阪府大阪市)の3者は21日、難培養性腸内細菌培養技術の開発に向けた共同研究契約を締結したと発表した。
共同研究の実施による難培養性腸内細菌の新規培養技術の開発は、メタゲノム解析やメタボローム解析などにより得られた腸内細菌叢全体のカタログデータの中から、個々の腸内細菌の機能を深く知り、腸内細菌叢の制御に繋げることになる。
同技術の確立は、今までにない新たな機能性食品の開発を推進するとともに、創薬の研究開発にも幅広く活用できることが期待される。
慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣 特任准教授は、KISTEC腸内環境制御グループの中藤学サブリーダーと連携し、ヒト腸内細菌の安定的培養技術の確立や腸内細菌の新規単離培養技術の開発に取り組んでいる。
また、森下仁丹は、胃酸に阻害されず微生物を腸まで届ける耐酸性シームレスカプセルの開発をはじめ、カプセル内で微生物の培養を可能にする半透膜皮膜のバイオシームレスカプセルなど、皮膜にさまざまな機能を付加する特殊技術を確立し、ヒト腸内細菌に有用な製品の開発に取り組んできた。
今回の共同研究では、3者が有する独自技術やノウハウを融合させることにより、難培養性腸内細菌の新規培養技術の開発を目指すものとなる。