【連載】大手化粧品会社の研究㉜花王・カネボウ化粧品の関連会社エキップの会社研究 ~新安全基準を策定、商品の安全性・信頼性に全社一丸で取り組む~(下)

2018.06.29

特集

編集部

エキップは、白斑問題を契機にRMKとSUQQUの2ブランドについての新安全性基準を策定し、取り組みを始めている。
新安全性基準は、開発段階から原料、処方の安全性確認やモニターによる使用テスト、顧客へのカウンセリング、販売後の安全性点検などを行い、これまで以上に消費者からの安全性、信頼性に応えるのが狙い。

新安全基準の具体的施策として
A・開発段階での①安全な原料を厳選②処方の安全性確認 ③使用テストによる確認④顧客への安全性確認。
それとB・販売後における⑤安全性点検に取り組むなどが骨子。
いわば、化粧品だけでなく化学品・食品・家庭用品など異分野の情報まで収集を拡大。同時に、試験可能な最大の濃度での評価を行うとともに一般の試験法に比べて検知力の試験法を使って原料の安全性を徹底的に見極める。

新安全基準の具体的な取り組みとして原料の安全性確認については、これまで化粧品中心に安全性の収集・活用を図るとともに、製品に配合する10倍の濃度で安全性を確認してきた。

新基準では、人にも環境にもやさしい原料を見極める。人に対する安全性は、人工皮膚に原料を加え、皮膚全体や細胞の変化、原料の浸透度などを確認。また、培養細胞に原料を加え、細胞の変化などを確認するなど化粧品の使用部位(肌、唇など)だけでなく、口や鼻、目を経て体の中に入った場合も想定して検証する。(写真に人工皮膚を用いた安全性試験を示す)。
人工皮膚や培養細胞で確認した後、実際に肌につけても問題がないことを実証するため、開発したすべての製品についてパッチテストなどで肌への刺激がないか、処方確認を行う。さらに、製品を販売する前に、これまでよりも大規模で長期間でのモニター実使用テストを行い、肌にトラブルが起きないことを確認する。また、単品での使用試験だけでなく、複数アイテムを同時に使用する場合を考慮した使用試験も実施する。

実際、商品を購入した顧客に対しては、買い上げ時に、顧客の肌の状態を確認し、使用方法などをていねいに伝える。
こうした新安全性基準に準拠して同社は現在、全店舗においてこれまで以上に顧客に寄り添いながらメイクアップアドバイスとスキンケアカウンセリングを行い、顧客に合った高品質、安全性の高い製品の販売に全社一丸となって取り組んでいる。

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