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没食子を利用した新しい天然白髪染めを開発

韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and TechnologyKAIST)の研究者らは、中世以来使用されてきたアイロンゴールインクを利用して、黒髪用の染毛剤を開発した。アイロンゴールインク(iron gall ink)は、没食子(もっしょくし)インクとも言われ、紙への付着が強く、耐久性、耐水性にも優れている。没食子インクは、中世以降、筆記具として幅広く利用されていた。没食子とは、ブナ科の植物の若芽にタマバチが産卵することでできる「虫こぶ」のこと。タマバチの幼虫はこのこぶの中身を食べながら成長する。こぶには高濃度のタンニンが含まれており、抽出後に鉄成分と混ぜ合わせ濾過し、植物樹脂のアラビアガムを加えて没食子インクとした。

今回開発された染毛剤は化粧品成分として認可されている、タンニン酸、没食子酸、およびFed-グルコン酸)2で構成されている。この配合物は、過酸化水素のような有害な酸化剤を必要とせず、空気に曝されると自然に酸化し、髪をしっかりと黒くコーティングする。この染毛剤で染色された色は、シャンプーや日光曝露で退色せず、少なくとも3カ月間は髪色を保持した。天然素材で構成されたこの配合物は、毛髪化粧品産業において大きな影響を及ぼし得ると研究者らは述べている。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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