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インディー系化粧品ブランドの将来を検証ーシャーロットティルバリー買収

急速に変化する美容業界で海外のインディー系化粧品ブランドが長期にわたって独立してビジネス展開をすることは少なく、大手企業の傘下に入るシナリオが目立っているようだ。グローバル市場調査会社ミンテルは、公式サイトのブログ(6月11日)でこのような傾向を取り上げた。6月にスペインのファッションとフレグランスグループのプーチが、英国を拠点とするシャーロットティルバリーをグループ傘下に入れたことは、2020年に最も注目を集める買収となると分析。

オンラインの台頭はこの傾向を後押ししており、消費者はこれまで以上に多くの美容ブランドにアクセスできるようになり、 その結果、ブランドの忠実度は低下し、消費者は常に最新の美容ブランドを試すことが可能となった。イギリスでは女性用化粧品の購入者の3分の1以上が、昨年実店舗で試用することなく商品を購入したというデータがある。新しい美容ブランドの魅力調査として、シャーロットティルバリーは、イギリスだけで女性の半数以上がブランド名を聞いたことがあり、10人に1人はこのブランドを使用しているという。

一方、フレグランスビジネスで知られるプーチブループにとってシャーロットティルバリーの買収は、カラー化粧品へと領域を拡大し美容市場での地位を強化するのに貢献すると見られる。

新型コロナウイルス感染のパンデミックは、小規模な独立系ブランドのオンラインビジネスでの可能性を拡大し、その結果、大企業からの買収入札をより魅力的なものにすると分析されている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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