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グリーンサイエンス・マテリアル ~DICと資本業務提携、原料・化粧品販売に具体性欠く~

グリーンサイエンス・マテリアル(GSM)は、サクランの美容へのアプローチを開発強化する中で高機能化粧品「マイコクチュール」や「サクラムアルジェ」等を商品化している。

化粧品の処方開発は、サクランの物質の特徴である保水・保湿・皮膜形成能を生化し、勝田の原料も植物由来成分を厳選したもので作り上げた高機能化粧品。

処方開発の化粧品は、数社の協力企業と提携して開発・販売を含めて委託している。

同社は、ここへきてサクランの美容分野への応用開発や化粧品の拡販を図る狙いで、DIC(旧大日本インキ化学工業)と資本業務提携(2021年3月)を取り交わした。

GSMは、現在、スイゼンジノリの人工的な養殖や培養技術の開発を行い、サクランの量産性を上げてグローバル展開をとともにサクランのグローバル展開を虎視眈々と狙っている。

本業務提携の一方、DICは、1970年代にスピルリナ(藻類)の商業生産に世界で初めて成功して以来、スピルリナ研究のパイオニアとして安全かつ高品質なスピルリナ粉末やスピルリナ由来食用色素「リナブルー」健康食品、食品素材や飼料分野等へグローバル化に拍車をかけている。

両社が今度、資本業務提携を取り交わしたのは、食用藍藻類のスピルリナ事業で培った大量培養技術や機能成分の抽出技術を共有し、同じ藍藻類であるスイゼンジノリの人工培養技術の確立を図ること。同時に、DICが欧米地域を統括するSun Chemical Corporation(米国ニュージャージー州)と連携してGSMのスイゼンジノリやサクランの販売をグローバルに展開。合わせて新規アプリケーションの開発も行うなどして事業の成長を図るのが狙い。

両社の資本業務提携に伴いGSMは、DICから取締役を受け入れて経営の管理を担当している。しかし、両社は、DICのGSM株式の取得数、取得金額(投資金額)等について明らかにしていない。また、GSMは、投資資金の一部をスイゼンジノリの人工培養装置の購入に充てる計画だが、サクラン配合等の新規化粧品の開発や販売チャネルの構築などについて具体的な戦略が明らかでない。

園意味で、技術開発を優先するGSMの姿勢をDICがどこまで理解して原料や化粧品販売を伸ばしていけるか、今後のDICの出方と展開が注視される。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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