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2022年ビューティーイノベーションを刺激する3つのトレンド

美容およびパーソナルケアブランドは、新製品開発やマーケティングにメタバースを利用し始めているようだ。グローバル市場調査会社ミンテルがリリースした公式ブログ(5月24日)によれば、メタバースへの関心を利用してデジタルと物理的な世界を活用する美容ブランドが話題になっているという。同社の調査によれば、アメリカ人成人の4割以上は仮想世界を未来的または興味深いものとして位置付けており美容ブランドはこのようなトレンドを活用しているようだ。同社のシニアイノベーションアナリストのRosalia Di Gesuはブログの中でメタバースの活用を含め、2022年のビューティーイノベーションを刺激する3つのトレンドを次のように取り上げている。

2022年のビューティーイノベーションを刺激する3つのトレンド
1.メタバースの活用
美容ブランドは、さまざまな方法で仮想世界を曖昧に多様性を強調している。例えば、化粧品ブランドUnseenは、新しいメイクアップS​​pectra Eye Colorで黒またはかすかなシルバーグレーの色合いを提供。さらに、カメラのフラッシュなど光にさらされると、これらの色合いは反射する銀色に変わり、拡張現実ツールを使用することなく、変革をもたらすという。また、MACコスメティックスは、NFT(非代替トークン)でリップスティックの販売を2022年4月に実施した。Viva Glam x Keith Haring NFTコレクションとして、故アーティスト/活動家のKeithHaringの作品に基づいた口紅の3つの限定版アニメーションを提供した。

2.価値へのアピール
生活費の上昇の中、ブランドは消費者に向けてブランドの価値と透明性をアピールするマーケティングを活用している。 Elf Cosmetics、Horace、Deciemなどのスキンケアブランドは、ソーシャルメディア/ウェブサイトで透明性のあるメッセージを通じて値上げを公表した。値上げの背後にある理由を明確にして消費者の理解を得て、製造販売ができるよう実践した。透明性と率直さを保つことで、消費者との信頼感を維持することが可能となるという。

3.現実逃避の提供
遊び心のあるビューティーイノベーションは、一時的に消費者の心配をそらし、快適さを提供する。ロックダウンに耐えてきた消費者は、仮想世界と現実の物理世界の両方で、自分たちの限界を打ち破り、斬新な体験を探求し、遊び、受け入れることを熱望しているという。例えば、Pat McGrathは、Netflix『ブリジャートン家IIシリーズ」の配信にむけ限定版の化粧品コレクションをリリースした。Elf Cosmeticsはダンキンドーナッツと提携してドーナツとコーヒーに着想を得た色合い、質感、香りが特徴のメイクアップ/スキンケアコレクションを販売している。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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