IT、物流、ソリューション、テクノロジーの力で「美容業界を変える」ことに挑んでいる、ビューティガレージ野村秀輝CEO。月平均4,000件ペースで新規会員が増え続け、業績も絶好調。国内ナンバーワンのIT美容商社が次に目指す10年戦略とは。
プロフィール
野村 秀輝
株式会社ビューティガレージ 代表取締役CEO兼COO
1967年石川県生まれ。青山学院大学経済学部卒業後、広告代理店2社に勤務し、海外駐在員時代には現地法人の社長業も経験。広告・マーケティングに加えて、経営実務の研鑽を積んだ後、2002年にマーケティングプランナーとして独立。その後2003年にビューティガレージを創業し、代表取締役に就任。現在はグループ総勢14社を率いて美容業界に様々な変革をもたらすとともに、創業以来21期連続での増収を継続中。
美容業界変革への挑戦
ビューティガレージ社
パラダイムシフトの起きている美容業界をこれからも牽引
現在、約60~70万店舗程度あると推計されている日本の美容サロン。美容サロンの集客方法も以前とは根本から大きく変わってしまっており、すでに美容サロン業界には全体的にパラダイムシフトが始まっているといってもいいのではないか。
時代とともに大きくかわりつつある美容業界
美容師に着目してみても、今では57万人の美容師の中で約10万人がフリーランスとして働いていると言われている。美容師という働き方も時代と共に変わってきているのだ。
実際、フリーランスの増加に伴い、美容サロン業界で大きな動きになってきているのが、業務委託サロン、シェアサロン、モール型サロンの存在だ。
お客さんのアバターをミラーの中に登場させる「スマートミラー」やAIでのカウンセリングなども近々、ビジネス化してくるだろうし、ブロックチェーンなども、もうあたり前のプラットフォームとなってくるとみられている。
ますます、個々のサロンごとの情報収集力の差が開いてきているのではないか。
そんな美容業界の中でいち早くネットやデジタルを活用して異彩を放つのがビューティガレージ社(本社:東京都世田谷区・代表取締役CEO兼COO:野村秀輝氏)だ。
「美容業界のゲームチェンジャーと言われてきた当社ですが、今後の時代の変化にもしっかりと適応していかないと、逆に今度はディスラプトされる側になってしまうという危機感は常に持っています」とビューティガレージ社の野村秀輝CEOは語る。
ビューティガレージは、ITだけではなく、ロジスティクス面でも圧倒的なプラットフォーマーを目指す
ビューティガレージ社は2013年に東証マザーズに上場し、現在では東証プライム市場に市場変更(昇格)している。
「上場の目的は、資金調達というよりも、新興勢力であった当社の信用力構築にありました。」(野村秀輝CEO)
現在は上場企業である信用力を生かして、大規模な設備投資を伴う大きくオートメーション化された新物流センター(3拠点目の物流センター)の構築を急いでいる。
「今後は、ロジスティクス面でも圧倒的なサービスを確立したいと考えております。生産性とキャパシティを最大限高めることで、お客様のニーズにしっかり応えていく予定です。」(野村秀輝CEO)
リアルなショールーム店舗や営業所は全国11拠点
物流拠点は全国3拠点に
ビューティガレージ社はネットだけでなく、OMO発想(Online merges with Offline)のもと、顧客接点となるリアル対応も重要視しており、東京都世田谷区の本社のほかに、都内3ヶ所(世田谷別館、渋谷、東久留米)、札幌、仙台、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡の計11拠点にショールーム店舗や営業所を展開している。
さらに物流拠点としては、2025年夏にオープン予定の第三DCを含めて、合計3拠点、計46,860㎡を展開しており、美容業界では圧倒的No.1の物流機能を有している。
開業支援のワンストップサービスを提供
また、ビューティガレージ社では美容サロンの開業支援にも力を入れている。
資金調達支援、店舗リース、不動産物件紹介、店舗設計、保険なども手掛けているが、これらはネットだけで完結するのは難しい部分だからこそ、リアル拠点や営業部隊の存在が重要となってくる。
開業支援サービスを活用して頂いたお客様には美容器具購入を推奨するのはもちろん、開業後にも、割引クーポンやポイント提供などによって、リピート商材となる水物・化粧品購入につなげていくという戦略だ。
「他社さんには真似の出来ないオンリーワンのポジションとして、当社は美容サロンのお悩みに何でもこたえられる存在、つまりサロンコンシェルジュ企業としてのNo.1を目指しています。」(野村秀輝CEO)
今のところ、美容業界にはビューティガレージ社と類似の企業は見当たらない。
営業スタイルも、プッシュ型のアウトバウンドスタイルではなく、様々なマーケティング施策を行うことで顧客側がアクションを起こしてくれるプル型をビジネスモデルの基本として構築している。これをネットとリアルで融合連携させ、オムニチャネル形式でサービス提供しているのが大きな特徴となっている。
ビューティ産業、美容業界の健全な発展に寄与したい
「美容業界に長く属していて感じているのは、この業界における法的ルールにおかしな点が沢山ある、ということです。今の時代と市場環境にマッチした規制緩和やルール改革が必要だと強く思うのです。そして美容業界は政府や行政に充分に関心を持ってもらえておらず、結果として支援も不十分だとも感じています。今後は、そういう点における改革を通じて、業界発展にも寄与していきたいと思っています。」(野村秀輝CEO)
ビューティガレージ社・野村CEOは独自の視座で、自社だけでなく業界全体を見通している。
株式会社ビューティガレージ
設立:2003年4月24日
資本金:768,385,250円
上場証券取引所:東京証券取引所 プライム市場(証券コード:3180)
株式公開日:2013年2月14日
売上高(連結):2023年度(2024年4月期)29,840,901,892円