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フランスで低価格のイタリア・コスメブランド「キコ」優勢

フランスで低価格のコスメブランドの人気が急騰中で、伝統的な化粧品のハイエンド産業への参入が活発になっている。市場調査会社ユーロモニターがこのほど、ブログでこのような業界展望を発表した。

イタリアのミラノ発祥である化粧品ブランドKIKO(キコ)は1997年よりオンラインチャネルでコスメ製品の販売を展開している。欧州市場で若い世代に人気を得て、2010年にフランス市場にキコ専門店を開業し、現在、100店舗におよぶ多店舗チェーン展開へと市場拡大に成功した。ユーロモニター社上級アナリストのJohanna Kolerski-Bezerra氏は、キコの成功の秘訣について経済的価格はもちろんのこと、カラー化粧品の豊富な品揃えやパッケージングのセンスの良さでミレニアム世代のニーズにマッチしたと分析している。オンラインショップでの販売価格を調べるとカラーコスメは10ユーロ以下の価格設定が多い。

キコに追随しようとオランダ大手ディスカウントストアチェーンのHEMAはビューティ製品のオリジナルブランド「HEMA Beauty」を新しく設立、昨年の9月にフランスの市場に参入した。仏大手化粧品販売のノシベは若い顧客層をターゲットにする化粧品ブランド「Bellista」を新しく設立すると発表している。

西ヨーロッパ諸国の中ではビューティ産業の業績回復がフランスでいち早く期待される中、新しい“マスマーケット”を 狙うグローバル企業の市場争いが今後、より一層激しくなると予測される。デジタルに精通したミレニアム世代の消費者の関心を引くマーケティング戦略が勝ち組への突破口となりそうだ。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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